告別式は,粛々と進行していきました.
覚えているのは,エレクトーンによる「六甲おろし」と「和歌山ブルース」の演奏があったこと*1,ご導師様が「帰命無量」*2と唱えだしたので,冊子を取り出して文字を追いかけたこと,それと花をひとしきり,棺に入れたあとに,喪主を務める兄の反対側に自分が立ち,二人で,西国三十三ヶ所の朱印つき白衣(おいずる)をかぶせたことです.
みなで1階へ.なのですが,一つ物品を預かり,控え室に置くことができないと言われて対応に手間取ったため,みなより遅れて,1階まで降りました.
重要なイベントがあります.棺を,霊柩車に入れることです.
葬儀スタッフがすることも可能でしょうが,儀式的な意味合いもあり,男性が担ぎます.10mほどです.人数は,6人もいれば十分でしょう.と言いたいところですが,自分が到着したときにはすでに,10人近くが,スタッフの指示を受け,待ち構えていました.
あんたもと親類に促され,ポーチを妻に渡して,並びました.
さらに並ぼうと来る人がいまして…
自分がこの場を仕切りました.これまで親類の告別式に参列したときには,あんたら行っといでと母が促し,兄と自分が立ち並んで,運んだものでした.今回,母は運ばれる側であり,兄は位牌を持って霊柩車に乗る立場です.
運ぶ人について,男性全員というのは多すぎます.周囲に目をやると,妻の父と目が合いました.人数も十分にいますし,入らず,見といてくださいと伝えました.
次は並び方です.棺の左右に,同じ数ずつ並ぶのが理想ですが,自分に近い側は6人,遠い側は8人でした.1人に声をかけ,こちらに移ってもらいました.
ほどなくエレベーターが開き,台車に乗った棺がやってきました.スタッフの指示のもと,14人で運んで霊柩車に入れました.