授業(講義よりはむしろ演習)や研究室で,見聞きしたり,口に出したりしたことのうち,何割かが,その言葉遣いのせいで,学生や他の先生にうまく伝わっていなかったかなと反省しています.
より伝わりやすくするための表現を,いくつか考えてみました.
- 誰それは,間違っている → 誰それさんのところには,これこれの情報が届いていないのかもしれませんね
- 何々は,間違っている → 何々は,すでによく知られているこれこれと,整合性がとれないように思うのです
- (この件の)本質は何々だ → この件をよく理解するには,まず,何々に着目するのが良いように思うのです.ちょっとおつきあい願えますか
- そんなことをしても意味がない → それをすることを止めませんが,得られた成果を今後,活用するのは難しそうですね
- 知ったような口をきくな → この件を考える際に大前提となるのはこれこれですが,よろしいでしょうか
- 何々をしてから言え → 言論の自由は尊重したいので,あなたが発言なさるのを止めるわけにはいきませんが,そのご発言と密接に関連する,何々については,差し支えありませんか
- なんでお前ここにいるの → (何々のために)どこそこにいると思っていたのですが,その件はもう済みましたか
- やり直せ → 今のままで次の段階に進むのは,あなたにも私にもメリットにならないように思います.ちょっと,見直してみましょう
- (メールで)早く返事をしろ → 何月何日に送ったメールの返事が届いていません.すでに送られたのなら,すみませんが再送をお願いします
まあ,各矢印の右の表現が常にいいというわけではなく,状況などからもっとラフな言い方にしたり,左のほうを選んだりすることもあっていいでしょうね.
とはいえ,これだけ挙げれば,言い換えの原則も書けそうです.
- 「あなた(聞き手)」と「私(話し手)」をきちんと認識する.
- 「あなた」のアクション,「私」のアクションが分かるように言う.
- 前提や根拠を明確にする*1.
*1:ただし,結論を言い切ってから,その理由を言うのが,良い場合もありますが.