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小数のわり算の文章題(割合の第3用法)を二重数直線で解く

小数のわり算の文章題に対して,二重数直線で解く手順を示します.わり算を使うのは、割合の第1用法と第3用法がありますが,本日は第3用法のほうです.
さっそくですが問題です.

200円で2.5mの長さの布を買いました。
1mだといくらですか。

解き方のGIFアニメーションは次のとおり.

以下,主要なところを取り上げます.まずは二重数直線.

左端に縦線を入れて,その上下に「0」を書きます.小学校の算数ですので,ここより左に数量は来ません.
矢印の先ですが,上には「代金(円)」,下には「布(m)」を書いておきます.「1」があるほうを下に置くのが,慣例となっています.
この数直線の上に,値を書き込んでいきます.

問題文に「200円」「2.5m」「1m」という数量がありますので,まず,長さの数直線上に「1」と「2.5」を書きます.2.5のほうが大きいので,1より右に置きます*1
「200円で2.5m」と「1mだといくら」を対応づけるために,「2.5」と「1」の上方向に縦線を引き,「200」と「□」を書きます.「□」が,求めたい値となります.
このとき,「□」と「1」が上下の位置にあることにも,注意しておきましょう.もしそれらが同じ数直線上にあれば,第1用法を使うことになります.あるいは,斜め(はすかい)の位置であれば,それは第2用法です.それはさておき…
図に「わり算の関係」を書き込むことにします.2.5から1に向けて矢印を置き,「÷2.5」を添えます.

これは「2.5mを2.5でわったら,1mになった」という意味になります.最初に書いた「1」と「2.5」には,メートル(m)という単位がつきますが,「÷2.5」と書いたときの「2.5」には,単位がつきません(無次元量とも言います).また「÷2.5」は,「×2.5」(2.5倍)の逆演算*2と考えることもできます.なお,小学校の算数の範囲(表記法として)を超えますが,「2.5分の1倍」とも言えます.
次に,「200」から「□」に向けて,同じように矢印を入れます.

そしてその矢印にも,「÷2.5」を添えます.その意味は「長さを2.5でわるんだから,1mの代金は,200円を2.5でわった額になる」です.

さて,「200円を2.5でわった」ら,いくらでしょうか.式を立てましょう.わり算ですね.

筆算で,200÷2.5=80を求めます.

80と出たところで,数直線の「□」に80を当てはめておき,大小関係に問題がないことも,見ておきましょう.
答えで単位を間違えると,元も子もないので…「80円」です.おしまい.

ここまでの手順を箇条書きにしておきます.

  • 二重数直線を正しくかく。
    • 「1」は下の数直線に
    • 同じ量(長さ,金額,重さ,割合 など)は同じ数直線に
    • 求めたい値に「□」
    • 1の上に□があったら,このわり算!
  • 図を使って「何わる何」の関係を明らかにする。
    • 1と同じ数直線のもうひとつのから,1に向けて矢印をかき,「÷」をそえる。
    • もうひとの数直線にも,同じように矢印と「÷
  • 式を立て,答えを求める。
    • 「何を何でわったら□になる」をもとに,式を立てる。
    • 暗算または筆算で,□を求める。
    • 単位をつけて答えをかく。

小学校の5年で学習する,小数のかけ算・わり算の文章題について,次のように分類することができます.

  • 第1用法か,第2用法か,第3用法か
  • 割合に当たる数が,1よりも大きいか,1よりも小さいか
  • 割合に当たる数が,文章題でも割合(百分率などを含む)として書かれているか,文章題では割合でない量として書かれているか

今回は「第3用法」に基づく問題であり,割合に当たる数は「1よりも大きい」のに加えて文章題では「割合でない量」として書かれています.
他のパターンの出題については,別の記事でご紹介します.

(リリースならびに最終更新:2014-01-11 早朝)

*1:どれだけ離して書くかというのは,この問題を解く上ではあまり重要ではありません.大小関係を間違えていないことが確認できれば十分です.

*2:最初から「わり算の関係」が見えにくい場合には,まず1から2.5に向けて(□から200にも)矢印を引いて「×2.5」を添え,それから,その逆向きの矢印と「÷2.5」をかくことを提案します.図が見にくくなる可能性はありますが,かけ算・わり算の相互関係を可視化できる,良い方法だと思っています.