わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

2chより

小学校の掛け算順序問題×8 [転載禁止]©2ch.net881に,配る問題,かけ算の順序へのリンクと感想が載っていました.
書く励みになります.「書いてあることは面白いが,自分のスタンスは…」で,いいのではないかと思っています.その次に,学校はどうなっているのか,これからどうなるだろうかを,精度良く見定めるための手段を,考えたいものです.多くの人はWebの情報かもしれないけれども,私は,いくつか定期的にアクセスするとともに,本をゆっくり読んで,記事にするよう努めています.
「広い視点」はミスでした.リリースしてから,書き換える必要があるなあとも思っていたのですが,引用されてしまったので,この誤記を生かしつつ,何かすることにします.
その後の書き込みにも,いくつか,気になるものがありました.884ですが,『新式算術講義 (ちくま学芸文庫)』は,先日出た『数の世界 (サイエンス・パレット)』でも参考文献に入っています.「量の概念を用いて数を構成する方法」で連想する,無料で読めるものというと,Nagumoの"Quantities and real numbers"*1があります.論文を読み直したところ,高木の別の本を参考文献としていました.
885の「掛け算順序について固定派か自由派かっていうのと政治的スタンスとはかなり相関があるんじゃないか?w 」については,2つのブログ記事が関連しそうです.一つはかけ算の順序 - お花畑めざしてにある,「「君が代・日の丸の強制」と相似形です。」で終わる文で,もう一つはこれを引用したかけ算の順序 (ブログ「お花畑めざして」から) (訂正・追記あり) - 村野瀬玲奈の秘書課広報室の「硬直した算数の指導法と日の丸君が代を強制する思想の硬直性に共通点を見たふなぼりすたさんの意見はそのまま的を射ていることを申し添えさせていただきます」のところです.
前者のブログ記事では,今の算数のかけ算指導をローカルルールとし,それに対して「国際ルールは、もちろん「実数どうしのかけ算では、いかなる時でも交換法則が成り立つ」です」とも書かれていますが*2,Vergnaud (1988)をはじめ,いくつか読んできた(それなりによく引用されている)英語の書籍では,「実数どうしのかけ算では,交換法則が成り立つが,…」という展開で,「…」のところに著者の主張を置いているものをよく見かけます.日を改めて整理するとします.

*1:http://projecteuclid.org/euclid.ojm/1200770204

*2:基準量が後に示された問題が,この4月から使用される6社の算数教科書のいずれにも複数載っているhttp://d.hatena.ne.jp/takehikom/20140629/1403967600ところから,Webで見かける批判は,算数教育の改善・進展に貢献してなさそうだなという思いも持っています.海外の指導や授業はというと,スライドに盛り込んだ[Chapin 2009]と,昨秋書いた記事http://d.hatena.ne.jp/takehikom/20141002/1412193761を挙げておきます.