わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

掛け算の順番について,2年前からの変化は

No.3で,現在の数学者は,かけ算の順序についてどのような見解を出していますか?がリンクされていました.
アカウントを新規に作って補足するのは,好みでないので,ここでいくつか書いておきます.
「4人の子どもに5個ずつリンゴをあげる。全部で何個リンゴは必要?」という出題に対しては,5×4=20が正解,4×5=20は間違いとされていることを,例えば以下にて公開してきました.

2年の間で何かあったかと言えば,教科書が「平成23〜26年度」から「平成27〜30年度」に変わりました(東京書籍の平成27年度用算数教科書は平成27年度算数教科書読み比べ).ただ,「掛け算」の指導に関しては,特段の変化はありません.上記のリンゴの問題で4×5=20も正解となるのだという考え方が,算数教育には反映されていない*1,と理解することもできます.
2年以内に刊行され,5×4=20が正解,4×5=20は間違いなのを支持する本には,『算数科 授業づくりの基礎・基本』があります.本の記述と,読んだときの認識は,掛順ひっかけ問題は,ネットde真実で記しています.

*1:http://d.hatena.ne.jp/takehikom/20140109/1389214765より:かけ算の順序に反対する人々は,それに基づく,1年から6年までの一貫した算数教育の方法を実現(それどころか提案)できていません.個々の授業例や書籍の一節,また電話などによる不確かな情報のやりとりをもとに,あれはダメだ,こんな考え方だってできるじゃないかとケチをつける一方で,自分の理想とする教育を,歴史的また国際的な面で比較しようとする姿---専門家じゃない自分の発想は,すでに検討済みではないか,という問題意識---が見られません.「南京事件に関するネット議論」に関連して言うと,歴史修正主義もしくは南京事件否定派は,個人的には,掛け算順序否定派と重なります.否定意見を振りまく「専門家」の専門分野,そして当該分野の業績を,チェックしてみましょう.かけ算の順序論争における学問分野は,もちろん,数学ではなく数学教育学(あるいは,教科教育学(算数))です.