記事にたくさん数値が出てきます.日本スポーツ振興センターの,2014年度の給付件数を集計したとのことです.
ふと思ったのは,記事中の近畿の府県(大阪府・兵庫県・京都府・奈良県)の学校数が多ければ,それに応じて事故件数,そして給付件数も多くなるのでは,という疑問です.
都道府県の学校数は,総務省統計局が公開しています.統計局ホームページ/日本の統計 2018−第22章 家計でリンクされている,「22-2 都道府県別学校数,教員数と在学者数(エクセル:50KB)」です.ここから,上記の府県の小学校,中学校,高等学校の数を,別のExcelファイルに転記しました.
なお,こちらは「「学校基本調査」(平成25年5月1日現在)による」と書かれています.念のため,平成25年は,2013年です.1年で,どこかの府県で大きく学校数が増減したという話は聞いていませんが,以下の計算は厳密さを欠くということを,先に断っておきます*1.
府県ごとに,事故件数を学校数で割って,値を比較するだけでなく,検定も行ってみました.Excelファイルはhttp://d.hatena.ne.jp/takehikom/files/gymnasticformation-injury.xlsx?d=downloadよりダウンロードできます.スクリーンショットを貼り付けておきます.
(オリジナルサイズ)
CHITEST,CHISQ.TESTで得た値は,値に見えません.検索すると,Officeのオンラインマニュアル*2が見つかりました.「計算された値よりも少なくとも大きい χ2 統計の値が、独立の仮定の下で偶然発生した確率を返します」…ってこれはp値のことですね.有意水準を1%にしても,それよりうんと低い値ですので*3,有意差があるということになります.
ちなみに「組体操」と「兵庫」の組み合わせでは,以下のレポートが思い浮かびます.
- 吉野義郎: 新・組体操〜指導法のDVD教材作成と評価・改善〜, 兵庫教育大学 特定の課題についての学修の成果内容要旨 (2011). http://hdl.handle.net/10132/6919 http://repository.hyogo-u.ac.jp/dspace/bitstream/10132/6919/1/YW40202022.pdf
当ブログでは引き続き,安全で満足のいく組体操(学校の運動会で披露するものだけでなく,親子のふれ合いを通じてできるものも)について追求していくことにします.
*1:もう一つ,簡単のため,1校が複数回の給付申請をした可能性は考慮していません.
*2:https://support.office.com/ja-jp/article/CHITEST-%E9%96%A2%E6%95%B0-981ff871-b694-4134-848e-38ec704577ac?ui=ja-JP&rs=ja-JP&ad=JP, https://support.office.com/ja-jp/article/CHISQ-TEST-%E9%96%A2%E6%95%B0-2e8a7861-b14a-4985-aa93-fb88de3f260f?ui=ja-JP&rs=ja-JP&ad=JP
*3:念のため,「4.70515E-27」は「」のことです.あるいは,1%は「1E-2」と表記できます.