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「安全で楽しい組立体操の基本」のDVDを見た

[isbn:9784469761887:detail]

[isbn:9784469761894:detail]

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先に本記事の趣旨を書いておきます.4枚のDVDを自費で購入して,ざっと見た,という内容です.収録内容に関して否定的な書き方も,ところどころに入っていますが,組体操(組立体操)に関心を持つ*1とはいえ,指導する立場にない者の主観です.専門家によるレビューを見つけたら,当記事よりリンクする予定です.
購入のきっかけは,Amazonで,「組体操」ではなく「組立体操」を検索してみたことでした.先月末のことです.4つのDVDが上位に出まして,さっそく注文しました.ISBNが振られているものの,外装はどう見てもDVDパッケージで,中もDVDが1枚だけでした.
それぞれどんな内容なのかは,大修館書店のサイトに載っていました.DVD収録時間と合わせて,箇条書きにしておきます.

どのDVDも,1分程度のイントロ(巻番号・タイトルの表示を除き共通)と,監修者・荒木教授による趣旨説明のあと,技などの解説へと進みます.2-1および2-2の技については,順に組み方を荒木教授が解説したあと,「いち,に,さん,し…」と拍を取りながら通して演技し,音楽に合わせてもう一度順に演技する,という流れになっています.
5人組で「まず,扇の演技から」と言っている*3ほかは,技名がほとんど出てきません*4.2-2の2人組の技は,後ろ乗りによるサボテンですが,そこでも,「サボテン」の名称は現れません.荒木教授がこの技を「サボテン」と呼ばない,というポリシーでもなさそうで,教職研修 2016年 07月号のp.91には「サボテン」と書かれています.
後ろ乗りによるサボテンは,DVDの第3巻10分17秒あたり,1995年の世界体操祭の演技にも,出現していました.
なお,「サボテン」の名称はこれよりも前からあり,『組体操 (体育授業づくり全発問・全指示)』p.100には,肩車からサボテンへの移行について,手書きのイラストと解説文が載っています(「1990.9.6」の日付も添えてあります).それと隊形について,DVD第3巻8分54秒ごろ(1999年 世界体操祭)に見ることのできる横長の状態は,『組体操』(1993年)p.82の「琵琶湖大橋」といくぶん類似しているところがあり,いずれも最も高いのは3段タワーです.
DVDですが,5人の横並びがときどき等距離になっていないこと,倒立があまりにも安定していて補助が不要にも見えること,すべて屋内の演技で,運動場を想定したアドバイスが見当たらないこと,基本的に指導者視点であること*5など,引っかかるところもありましたが,全体としては,やはり,昨今の組体操を指導する先生方なら,校費などで購入して観ておく価値がある内容と思いました.

*1:収録された動画を見て判断するだけでなく,関連情報との照合を試みるようにしています.

*2:3段ピラミッドが表示上,ここに分類されています.ナレーションは「6人組の演技をご覧ください」ですが.

*3:もう一つ,2-2の20分30秒ごろに「2基の帆掛けをつくります」と言っていますが,そのもとになる,同巻3分39秒ごろから始まる2人技には,帆掛けといった言い方は出てきません.

*4:ただ,技名にはこだわるべきでないかもしれません.DVD第3巻で見られる世界体操祭にせよ,自分が見てきた運動会の組体操にせよ,本番の演技中に個々の技名を言っていませんので.

*5:最上位の者にカメラを装着すれば,どう動いてのぼっていき,完成形では上からどのように見えるかが分かるようにも思えたのですが.