昨日の記事の続きです.DVDを観て,タイトルにある「安全で」は一応理解できたけれど,「楽しい」の根拠がどこにあるのかを,ずっと考えていました.
楽しさは,明示されていません.世界体操祭の演技で笑顔も見えますが,全体としてはほんのわずかです.
そして誰にとって「楽しい」かを,検討する必要もあります.演技者であればDVDの中でその種の情報がほしかったところです.
DVDの想定する視聴者は,組体操・組立体操の指導者ですので,指導者が「楽しい」と感じる(ことができる)のかという観点で,見直したとき,ヒントになる情報が入っていました.DVD第1巻3分49秒ごろから荒木教授が話している,「指導者自身の虚栄心を満足させるような演技は絶対にさせてはなりません」のところです.
演技する者の「楽しさ」,あるいは肉体的・精神的な「つらさ」について,大学生・大学院生に対する授業(情報処理)・某ゼミ(グループワーク*1)で課題に取り組ませていたときに,大学生の大学教育に対する関心が,4つに分類されていたことを思い出しました.本で読み,その図を自分なりに作ってみたのでした.
帰宅して検索すると,ほどなく見つかりました.
- I高同調:将来の職業に明確な希望をもっており,その職業への準備を目的とした教育を受ける.
- II限定同調:大学は一つの関門に過ぎず,勉強はほどほどにして,自分のやり方で時間を使う.
- III受容:大学教育の自分にとっての意味は不明確だが,とりあえずその教育に期待し要求に従う.
- IV疎外:大学教育の意図との適合度が低く,授業に興味がもてない.
これを組体操の演技者に置き換えてみます.
- I高同調:運動会の組体操の演技に明確な希望をもっており,その成功のためきちんと練習に取り組む.
- II限定同調:運動会や組体操は一つの関門に過ぎず,練習はほどほどにして,自分のやり方で時間を使う.
- III受容:組体操や運動会の自分にとっての意味は不明確だが,とりあえずその効果に期待し要求に従う.
- IV疎外:運動会や組体操の意図との適合度が低く,練習・本番に興味がもてない.
身近な例でいうと,今年,年長さんの組体操に取り組んだ,さきの子・あとの子の行動は,「I高同調」に当てはまっています.
組体操や運動会の成功のためには,II・III・IVをいかにIに持って行くかとなります.ただしこういった分類もまた,自己申告に基づくものでない限り,指導者または(演技者の)外の者から見た観点です.
私は,「外の者」です.書籍やWebで読めるテキスト,DVDをはじめとする動画の中から,各分類に該当してそうな要素を見出していくとします.