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三路スイッチ・四路スイッチについて

この雑誌のpp.4-5,「結城浩の再発見の発想法」は,第40回で,テーマは三路スイッチです.「三路スイッチとは、2つの場所のどちらでもオン・オフができるように設計されたスイッチです。」から文章は始まります.
この見開きの2ページに,図が4つ載っています.最初は普通の(三路でない)スイッチ1つだけで照明のオンオフを行う回路,次が三路スイッチを2つ使った回路です.図3では,三路スイッチ2つの間に四路スイッチを入れ,3箇所のスイッチのどれでも,照明を点灯・消灯できるようにしています.最後の図は,三路スイッチ-3つの四路スイッチ-三路スイッチによる構成です.
さて,電灯のスイッチの話は,今年度の自分の授業(情報セキュリティ)で使っていまして,当ブログで,記事にもしています.

そこでリンクした2つのページでは,三路スイッチ・四路スイッチの用語が出てきません.授業スライドに記したURL,具体的には以下の文書には,「3路スイッチ」「4路スイッチ」が出てきます.

授業では,排他的論理和の事例として出題しました.上記記事のリンクページおよびPDF文書でも,XOR (EXOR)または排他的論理和の語が,使われています.
結城浩の再発見の発想法」を読み直すと,排他的論理和との関連は極めて小さな扱いでした.具体的には,p.4右の「xとyが「等しい」という論理演算に相当します(not(x xor y)とも言えます)。」のところだけです.筆者のアピールポイントは,排他的論理和を含む論理演算ではなく,「点灯と消灯の両方のスイッチを用意する必要はない」「点灯と消灯のどちらも、人間が指示する必要はない」(いずれもp.5右)となっています.
個人的に,「三路スイッチ」という名称はともかく,階段の照明の回路のことは,小学生のときに漫画を通じて知りました.
今の小学校の理科で,学習している,というものでもなさそうです*1.小学生向けの本のコラム,中学受験の問題と解答,教員研修の案内より,それぞれ1つずつ:

大学で学んだことに,話を飛ばすと,視覚化された*2「四路スイッチ」を見たとき,高速フーリエ変換のバタフライ演算を連想します.交差している電子回路だと,フリップフロップですが,これは一度回路を組むと,交差しない状態には,ならないですね….

*1:『小学校学習指導要領解説理科編』で「回路」を検索してざっと読みました.「直列つなぎ」と「並列つなぎ」は出てきます.「電気用図記号(回路図記号)」は,自分が小学生のときは習わなかったように思います.

*2:「概念的な」と言うこともできます.四路スイッチの「実現」にあたっては,http://d.hatena.ne.jp/vvvfigbt/20071225/1198525261のFig.4にあるとおり,2つの三路スイッチにより(同時に切り替わることで)構成できます.