タイトルを見て,ああ国立大学なあ,自分は予算を有難くいただき,粛々と教育研究していくしかないんだよなあと思いながら,本文を読んでいくと,知っている人物名がありました.
今月11日、財務省の関係者らが見守るなか、東京都内で行われた「行政事業レビュー」。構造改革の旗振り役として知られる竹中平蔵氏の教え子だった教育経済学者の中室牧子氏ら5人の評価者は「国立大学法人に移行してから12年余りだが、環境の変化に対応した大学の改革は大きく立ち遅れている」 と文科省がかかわってきた事業への成果をこう批判し、結論づけた。
中室牧子氏,といえば『「学力」の経済学』の著者です.
- 作者: 中室牧子
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2015/06/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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大学教員*1でも辛辣な意見を出せるんだな,と思っていたところ,https://www.amazon.co.jp/dp/4799316850のカスタマーレビュー,Iboさんのを読んで,認識が変わりました.
顕著なのは以下の箇所です.
読んでいて感じた著者のスタンスは、非常に財務省的である。教育予算を拡充させて学力を向上させようというより、いかに「エビデンス」に基づいて現状程度の予算でやりくりしようか、というものに感じた。こういう学者に政策提言をさせることには危機感を感じる。
『「学力」の経済学』を読んだときに,もやもや感があったのですが,上の引用を含むレビューで,いくらか解消できました.
ともあれ,大学に身を置く者として,どんな立場につき,エビデンスをもとに人を動かすような主張をしていくかについて,考える機会となりました.…
自分には,「社会」はとてもとても大きな存在です.
学生指導と子育ては,怠らずにとり行い,研究については,世界を変えようというのではなく,自分の取り組んできたことを,新規性・有用性・信頼性に配慮しながら論文に取りまとめていくとします.