夕食とってひと息ついて → では,風呂に入るか → 浴槽に湯を張り始めて → その間に → 洗面所で歯を磨こう → 自分の歯ブラシで → ごしごし → 口をゆすぐのに → コップは → コップは… → あれれ,ないのか → しょうがない → 両手をくっつけて丸めて → これをコップの代わりにして → 水を入れ → 口をゆすぐ → くちゅくちゅぺっ → コップは → 食器入れに行ったのかな → おっと,お風呂の湯が張った → 止めてから → 「今日,パパと一緒に → お風呂に入るのは,誰かな?」 → しばし沈黙 → すえの子が来た → よっしゃ入ろか → その前に → 洗面所で歯を磨くんやで → 自分の歯ブラシでな → チューブは → 自分でつけられるか? → 出し過ぎたか → まあそれで磨きや → ごしごし → 仕上げ磨きをして → 口をゆすぐのに → そうだった,コップがないんだ → どないする? → と尋ねながら → 首を横にすると → すえの子は → 何も言わずに → 首を横にする → ああ,お前はそういう性格だ → ほな,すえの子よ → こんなん,できるか? → 両手をくっつけて丸めて → パパなにそれ → という表情をしおった → コップほしいか? → 首を縦に振る → 口元を白くしたまま → えっと… → 風呂に目をやると → 水鉄砲 → 勢い注意の → 水鉄砲 → 口に水を入れることはできるが → 力加減が難しい → ということで → 水鉄砲は却下 → 次に目に飛び込んだのは → フライパン → 赤い,プラスチックの → おもちゃのフライパン → 直径は → うがい用コップの倍以上 → 高さは半分以下 → 水を入れて → 飲めないこともない → すえの子よ → これで行くか? → 首を縦に振る → では → 取ってきて,水を入れて → ほら,うがいや → 1回 → くちゅくちゅぺっ → もう1回 → くちゅくちゅぺっ → お口 → さっぱりしたか → あとは無難にお風呂に入り → おもちゃのフライパンもきれいにして → 2人とも → バスタオルで拭いて → 寝巻を着て → 「おふろあがったよ〜!」 → ママのところへ → 「あのさあママ」 → 「どしたん?」 → とママ → 「うがい用のコップ → なかったんやけど」 → に対して → 「ああそうや → 洗ろて → 持ってってなかったなあ」 → と → 「しゃあないんで → 風呂の中のおもちゃのフライパンを → コップ代わりにしたぞ」 → と言うと → 「賢いねえ」 → とおばあちゃん → あ,これは → 風呂の中のおもちゃのフライパンを → 使おうと決めたのがすえの子だと勘違いしてはる