わさっきhb

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2008年と2017年のアレイ図比較

いきなりですが問題です.以下の画像の間違いを見つけてください.

上下の絵の違い,ではありません.1枚の画像でして,そこにいくつか,意図的に間違いを入れたのでした.
といったところで解答です.正しくは,次の内容です.

間違っていたのは以下の箇所です.

  • 式とアレイとの対応付けについて,出典が逆です.平成20年(2008年)の小学校学習指導要領解説算数編には,3行4列の○の並びに「3×4」の式だけを対応付けていましたが,平成29年(2017年)のものでは「3×4」と「4×3」の両方の式を書いています.
  • URLの末尾,「page=」以降のページ番号が異なります.間違いの画像では,ノンブル(ページ最下段に書かれた数)をそのまま書いたのでした.

小さなことですが,この件もまた,小学校学習指導要領解説算数編の改訂における小さな改善点の一つと理解しています*1
以下では,2つの画像生成の方法について記します.
一連の処理を行って,いくつかの画像を生成する,シェルスクリプトを作成しました.ソース(画像に記載のURLも)はhttps://gist.github.com/takehiko/7c3c7e1fbcda605c4298027c61b8d7f5よりご覧ください.CygwinUbuntuで動作確認をしています.PDFとZIPのダウンロードにwgetを,ZIPの解凍にunzipを,そして画像処理に(ImageMagickの)convertを,コマンドとして用いています.
はじめに,2008年と2017年の小学校学習指導要領解説算数編のPDFファイルをダウンロードし,該当ページを画像にしてから,必要な領域だけを抽出しました.抽出のための引数指定に関しては,https://firegoby.jp/archives/613の内容が有用でした.なお,「PDFファイル名[ページ番号]」のページ番号は0オリジンです.Adobe Readerなどで表示されるページ番号に,1を減らして指定します.
なお,convertコマンドによるPDF領域の抽出領域は,実行環境に依存します.また,2008年のほうのPDFでは,フォントは「埋め込み」になっていないのも,気になるところです.そこで,WindowsAdobe Acrobat Reader DCで表示し,スクリーンショットを切り出した画像を作りました.カレントディレクトリに2008c+.pngという名前のファイルがあれば,それを使用するようにしています.
次に,【間違い探し】と【正解】の画像を作成しました.文字の描画では,IPAexゴシックのTrueTypeフォント(IPAexfont00103.zipを解凍して得られるipaexg.tff)を使用しました.配置や配色は,適当に行っています.コマンドライン引数に日本語文字を入れていますので,言語の環境変数(例えばLANG)がja_JP.UTF-8でなければ,実行時に不具合が発生するかもしれません.
完成までには,Windows環境*2で試行錯誤をしましたが,出来上がってしまえば,あっけないものです.

*1:2年で学習する「一つ分の大きさ×幾つ分」と切り離して,アレイ(長方形的配列,離散的な「積」)に対応するかけ算の式は2種類あることを確認し,交換法則・分配法則の学習や,4年の長方形の面積の公式へと,活用していけばいいのです.そういった学習の後にも,(「倍」に基づくかけ算の)文章題では式が一つになるのは,今朝https://twitter.com/takehikom/status/908801431846633472のツイートをしたこと(出版物より知ることのできる,国内外の算数教育の状況)が大きく関係しています.

*2:領域抽出には,IrfanViewで指定して座標を読み取ってから,1ピクセル単位で微調整しました.