「(画面を見ながら)えっと,このエラーには…」
「あっ,パパぁ!」
「んん…さきの子か」
「そうやで! イスで回るもんね」
「周りに足とかぶつけたらあかんで」
「当たらへんもん!」
「自信家やなあ」
「パパ,今日,プール行くよねぇ?」
「ああそういう予定やな」
「家ぞくで行くんやで!」
「(さきの子のほうを向いて)ん? おじいちゃんもおばあちゃんも,行くんか?」
「あっちがうちがう! パパと,ママと,うえの子とあたしとあとの子とすえの子の,6人で行くの!」
「あーはいはい」
「それでパパは,すえの子ちゃんのやくやからね!」
「(分からんでもないが…)するてえと何かい,パパが,すえの子になるんかい.(すえの子の声を真似て)『パパ,ボケてたらあかんで』とか」
「ちがうわー!!」
「おそらくさっき言いたかったんは,『すえの子のお守(も)り』の役やな」
「そうそう!」
「まあするけどな…しかしあの子の重(おも)りになって,ぶくぶくぶく…と沈んだら,あかんな」
「あかんがな!」
「ほいほい.それでさきの子よ,お前はもう1人で,泳げるんか?」
「それがねえ…25メートル,およげるように,とっくんするねん!」
「ママの指導を受けて,か?」
「そ!」
「がんばれよ.お前やったら特訓したら,プールの上を走って25メートル,行けそうやな」
「いけへんわー!!」
「無理か.ほなら,25メートル,下に潜っていくか?」
「もぐれへんわー!!」
そうこうして,近所のプールへ行って泳いできました.パパはもはや,クロールも平泳ぎも,息継ぎがうまくできません.「けのび」で何メートルか先に行ったり,深く潜ってプールの底にお腹をつけたりして,子らを喜ばせました.