「今日はどの服にしよっかな~」
「(キーボードに指先を置いて,首だけ右を向いて)さきの子よ…」
「この服ええなあ~」
「(キーボードから指先を離して,体を右に向けて)さきの子よ,聞こえてるか?」
「なに,パパ?」
「何やないがな.パパの服ばっかり見て,何しとんねん」
「今日,パパの服着て,いいでしょ?」
「休日やからって,ええわけないがな」
「いいでしょいいでしょ?」
「そないに大きなサイズの服が着たいんかいな」
「そう,そう!」
「ほな試すんはええけど…しかし長袖シャツ,パパの,汗臭くないか? 冬場は,2~3回着てから,洗いに出すからな」
「うわ,くさっ!」
「言われて反応するんか…そうや思い出した」
「何かあるの?」
「そのな,左から2番目に掛けてる服,出してみな」
「これ?」
「その服な,臭くないはずや」
「(くんくん…)ほんまや」
「ママがな,2日前に買うてくれて,パパまだ,袖を通してないんや」
「よっしゃ,うち今日はこれにする!!」
「着てみるんかいな…」
「できたぁ!」
「袖,長くないか?」
「これは折っとくねん」
「あと胸回りはでかくないか? (自分の寝間着の胸元を引っ張って)服,ばかばかできてまえへんか?」
「(仕草を真似して)できる! できる!」
「…でかすぎるなあ.ええ加減,脱ぎや」
「今日うちはこれにするの!」
「そんな服では,外に出られへんぞ」
「そんときは着がえるもん!」
「うーむ.家の中でも,その服はなあ…」
「あんたら何言うてんの? …さきの子ちゃん! パパの服,着てたらあかん!!」
「うわ,ピシャリやなあ」
「パパも着ささんようにしてや.ママが,パパにって買うちゃげたんやからぁ」