わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

今日はお寿司,明日は我が家に来てもらおう?

 某年月日,電話が鳴りました.
 職場の固定電話ではなく,自分のスマートフォンです.新型コロナの非常事態宣言より前の出来事です.金曜日の午後で,いろいろあって帰りを遅くし(イオンモールかJRの駅地下で晩ごはんをとり),土日はきっちり休みを取ろうと思っていました.
 このタイミングでかかってくるのは,自宅か,実家です.画面を見ると,実家の母の名前がありました.画面をタップしてもしもしと言うと,お寿司を持って行きたいので何時何分ごろに市駅で待っていてほしい,という内容でした.
 時間は分かったので,自分が行くか家族が行くか決めてかけ直すと言うと,向こうの「わかった,バーイ」の声で,切れました.しかし時間帯の都合で,妻とはつながらず,自宅の父母に,ひとっ走りしてもらうわけにもいきません.結局自分が取りに行くことにしました.実家に電話をかけ,場所を大学前駅に変更することで,同意を得ました.食べ物を持って,帰りを遅くするわけにも行かないので,定時帰宅です.
 指定の時間に,実家の母が電車を降りることになる側のホームにいて,電車が到着し,ドアが開いてドアが閉まり,離れていっても,見当たりません.階段を上がると,改札の向こうに,風呂敷包みを持った母の姿がありました.
 母は改札を通り(とんぼ返りなので,いったん改札を出てまた入ることは,どこで待ち合わせるにせよ必須でした),「ここって言うたやないの」「しっかりしてや」「お寿司,みんなで食べてや」「さきの子ちゃんのリクエストやねん」とまくし立てたあと,「じゃあね」で,別々のホームに進みました.次の電車まで,難波方面も,和歌山市方面も,数分の時間がありました.線路越しに,何か言ってきそうと思いながら,イスに腰かけてスマートフォンを取り出すと,「あのな」から始まる,母の呼びかけが来ました.


 本題はここからです.帰宅して風呂敷包みを食卓に置き,2階で着替えて,PCを使う気にならず,ごろんとしていると,階下の,すえの子とおばあちゃんの会話が聞こえてきます.
 2人の間で,なんと,実家の母(あっちのおばあちゃん)が,我が家に来てもらうというのです.まるで確定しているかのようなやりとりです.
 受け取った際,そんな話を母としていませんし,あっちのおばあちゃんと子らが電話をしたわけでもありません.
 もし来てもらうとすると,電車で母一人で来てもらうのではなく,車で実家まで送り迎えをしないといけないくらいです.片道1時間,送り迎えの2往復で4時間.子らは喜ぶかもしれないけど,単に来てもらうだけでなく,我が家での準備や後片付けのことも,考えないと…
 といったところで,ママが帰宅しました.すえの子が,揚々と提案したのでしょう.それに対しママは制しました.今日明日のこと,そんなのできるわけない,と.
 自分も起き上がって,やりとりしているところへ行きました.以前より,あっちのおばあちゃんは,我が家に来るのを遠慮しています.今回和歌山までやって来たのは,これ食べてやという気持ちの現れなのです.あっちのおばあちゃんの気持ちを考えるなら,明日来てもらうことではなく,もらったものを残さず食べてから,電話して「ありがとう」を伝えるのがええんやないかな,などと言っていると,さきの子とあとの子もやって来ました.
 さきの子の顔を見て,寿司が,この子のリクエストだったことを思い出しました.いつリクエストをしたのかを尋ねると,この日の朝,自分が出勤してから,実家の母から自宅に電話があり,さきの子が取って,ハンバーグなどいくつかの候補の中から,さきの子は「おすし!」と答えたのだそうです.


 「大事な話がある」(母来訪)は,今年のあっちのおばあちゃんの名言として,ことあるごとにパパが言い,子らは笑ってくれます.

(最終更新:2021-02-25 早朝.タイトルを「帰宅を早めて寿司を受け取る」から変更しました)