「ただいま…急に帰りが遅くなって,すまんの」
「パパおかえり~.晩ごはん,食べてきたん?」
「ああそうやが.…すえの子は,そこでお勉強か」
「そ」
「って,今,あとの子が返事しよったよ」
「塾の宿題,大変やねん,すえの子ちゃんは」
「ふむ…」
「それはそうと,2階へ行ったら,さきの子,叩き起こしてくれる?」
「ん,どしたん?(呼び捨てかよ,お怒りやな…)」
「晩ごはん食べたらね,寝るって言うて,すぐ,寝に行ってしもたんやで!」
「え? 眠たいんやったら,寝かしといたらええやん」
「ちゃうねんパパ」
「ちゃうんかいな」
「あの子ね,布団の中で,ノートパソコン使ってるに決まってんねんから!」
「ま,声かけてみるよ」
「よろしくね」
「(ここでボケよう)寝間に行って,さきの子のお尻をペシンペシンして,叩いて起こしたらええんやな」
「きもっ」
「パパ,何,変なことゆってるの!?」
「あとの子よ,光景を想像してしもたんやな?」
「いやあのさあけど,ほんまにそんなんしたら,あの子,パパと口,きかんようになるで」
「それはあかんなあ,ほなら…寝間のドア開けたら,パパ,自分のお尻をペシーンペシーンして,叩いて,さきの子起こしてみるか」
「きも!」
「そんなんせんといてや!」
「せえへんせえへん」
2階に上がって,子らの寝間まで行き,ドアをノックして….
「さきの子よ,入るぞ」
「(がちゃ)おお,寝てないやん.パソコン使こてるんか」
「あのなあ,ママがおかんむりやぞ」
「うちもう寝るねん!」
「いやいや,寝られへんから,パソコン使ってんのとちゃうんか」
「寝るの!」
「うーん,潔く体を起こして,ママのところに行って,勉強する気になりましたって言うほうが,ええと思うんやけどな…」
「体を起こして,ママのところに行って,」
「(おう,行く気になったか?)」
「『うち,これから寝る』って言ったらええんよな」
「ボケかましてきたか.やめとき」