「ん? さきの子よ,風呂入らんと寝るんか?」
「せやねん.だっこして寝間まで運んで,寝かしちゃってくれる?」
「ええが…」
「そうそう,トイレ,させてや」
「あいよ…」
眠い目のさきの子をだっこし,トイレ経由で,寝間へ.
「ほな寝ぇや」
「パパぁ…」
「んん? 一人では寂しいってか.ほなパパもしばらく,一緒に寝ちゃろ.せやけど自分の仕事もあるんよな…」
さきの子と同時か,もしかしたらさきの子よりも先に眠ってしまったかもしれません.しばらくすると,寝間に,大きな声が響きました.
「パパや! パパ,パパぁ!!」
「おいおいその声は,あとの子やな?」
「パパもいっしょにねるの?」
「いや…ええと…なんかそんな展開やな」
「パパ,まんなかでねてる!!」
「真ん中やったら,あかんのかよ」
「そこは,ママ.パパは,はしっこ」
「なんじゃそら.『春はあけぼの』みたいやな」
「パパ,どーすんのん?」
「何やママみたいに追及してくるなあ…はいはい,端っこに行くよ」