「すえの子よ…」
「なに,パパ?」
「もう日が替わったぞ.日曜日の,午前0時や」
「えっ,そうなん?」
「驚きすぎやぞ.掛時計,見てみなぁよ」
「….ほんまや」
「明日,ってもう今日か,塾の公開テストがあるにしても,寝ぇや」
「はあい(立ち上がる)」
「しかし至当娯楽とは言うたもんやなあ…」
「パパ,何か言った?」
「あ,いや,こっちのこと.おやすみやで」
「おやすみ~(部屋を出て行く)」
「念のため検索,と…へえ,wikipedia:四当五落ちゅうのがページになってんのか.『しとうごらく』のほか『よんとうごらく』とも言うんかぁ」
「さてさて,寝静まったところで,夜食をいただくか.リュックサックの奥に入れてたお菓子を…」
「パパ,あのさあ」
「おっと,すえの子か,どした」
「ベッド……お姉ちゃんと,うえの子が,寝てんねん」
「寝てるんか.….すえの子は,ベッドを独り占めしたかったんか?」
「そうやないけど」
「ほなベッドで寝たらええやん」
「やっぱせまいねん」
「それやったら,和室はどうよ.今日は,ママとあとの子が泊まりがけで行ってるから,空いてるやろ」
「一人はちょっと」
「かと言うてパパが一緒っちゅうのものなあ」
「それやったらベッドで寝よかな」
「そうしなぁよ」
「はぁい」
ふたたび2階は静かになり,パパは夜食にありつけました.
この日の夜9時ごろ,すえの子はテレビのリモコンを手にしたまま,部屋の真ん中のソファベッドで眠り始めました.さきの子がリモコンを奪い取って,好きなYouTube動画を観ていました.そんな中,パパが猛烈な眠気を催しました.ベッドや和室で寝ると,いつ子どもがやってくるか分かりません.ソファベッドに頭だけを乗せて,すえの子と接触しないようにして,10時のゴマ乙ギルイベまで寝ました.最後の頑張りのおかげで,月曜5時に,クラス昇格しました.