「なあ,あとの子よ,聞いたか?」
「なに?」
「次の休日,ママがな,うえの子と,すえの子を連れて,お出かけするんやって」
「えっ…やったあ!!」
「ほ,ほお.嬉しいんか」
「これほど嬉しいことはないでもお!!」
「全身で喜びを表現するんやな」
「嬉しいもん!!」
「ドンドンして,下の階に聞こえるんはあかんな」
「はーい(座る)」
「そういえば昔…全身で喜びを表現したの,おったなあ」
「誰?」
「あっちのおばあちゃん,な.ババ抜きしたら,えらいことになるねん」
「ジジ抜きとちゃうの?」
「それは晩年やな.昔,親類が集まって,あっちのおばあちゃんがトランプを用意しててやな.でもって,ババ抜きしたら…」
「…」
「あっちのおばあちゃんが,JOKER持ってるか持ってないかが丸わかりやねん」
「ジョーカー持ってたらどうなるの?」
「最初に持ってたり,他の人からJOKERを引いたりしたらやな.『うわーー』って,激しく悲しむねん」
「へえ…」
「んで他の人が,あっちのおばあちゃんの手札のJOKERを取ったらやな,JOKERなくなったっちゅうことで,『ら~ら~らら~ら~♪』って歌い出して,喜びを全身で表現するんな」
「そんなんやったんや」
「まあ本能というよりは本性やな.甥っ子くんと,ババちゃうわジジ抜きしたとき,あとの子,お前おったっけ?」
「遊んだことある!」
わんもあ
「しっかし,ママ・うえの子・さきの子がおらんかったら,そこまで嬉しいもんなんか?」
「だって,しょっしゅう怒るママと,いきなり呼び出して理不尽なことをいうお姉ちゃんと,あたしらのことをお姉ちゃんと思ってないすえの子ちゃんやねんで!」