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大学と情報セキュリティ

昨日,学内で,「大学と情報セキュリティ」と題して講演が行われました.
講師は,情報セキュリティ研究所の山地真嗣先生.
配布資料handoutに書かれていない,こぼれ話を.

  • 「私はWinnyを使っていないから大丈夫」ではない.WinnyにせよShareにせよ,ファイル共有ソフトを使っていれば,情報が漏れていると思うこと.ウイルス対策ソフトは完全ではない.
  • USBメモリの容量が32MBのころは,小まめにファイルを消していた.1GBになると,どこに何があるか分からず,消さないでいると,USBメモリを紛失したときに問題となる.
  • 日本の会社はピラミッド型で,上司は部下の全ての情報にアクセスできる.これは,情報セキュリティ(機密性)の観点で不適切である.
  • 情報を機密性に関して3段階に分けるとき,真ん中の段階は,「秘密文書ではないが,情報公開請求があれば,公開することになるもの」と言える.企業での情報の分類なら,この段階はない(秘密文書か否かの2種類).
  • HDDを増設して,バックアップを同じ機械の上でとるのでは,バックアップの意味がない.
  • 一人の優秀な人がシステム管理をしていると,手順などを記録していないことが多い.そういう人が異動すると,トラブル発生時に対応が取れなくなる.
  • 生体認証のみでの認証には不安がある.認証システムから情報が漏れたら? 認証されなくなる?*1
  • 失敗例
    • ウイルスあればメールで報告…感染したら意味がない*2
    • 電話で報告…IP電話化されていた.
  • 質疑
    • 「災害訓練のような,『セキュリティ訓練』はあるか?」…緊急事対応計画を立て,そこに記載した手順や連絡体制がうまくいくか,訓練をすればよい.
    • 「情報セキュリティポリシーでの対象は,電子データのみ? 紙は?」…民間では,情報資産というと紙を含むが,国などでは除外している.紙は,公文書取扱規程に従う.

*1:ほかに,認証システムが保持している個人情報が書き換えられると,認証されなくなるとか,認証システムが保持している個人情報のコピーをもとに,パスワード解析と似た手段で,他の人が認証できてしまう擬似生体ができてしまうとかが起こるかもしれません.

*2:報告メールが感染されているという可能性のほか,ウイルスでメールが撒き散らされて,報告メールが管理者などにすぐ届かない,ということもありそうですね.