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学科学生が身につけるプログラミング能力について(2)

昨日の続きです.
今日は,卒業の時点で身につけてもらいたいプログラミング能力を,思い描いてみます.次の2点です.

  • 卒業研究で作成したプログラムの目的(または用途),入出力,用いた技術を説明できる.
  • 対象(データ)があるときに,適切な目的を自分で定めるとともに,手法(技法,ライブラリなど)を自分で調査して活用し,Cまたは研究室で習得した言語を用いて,処理プログラムを書き,その結果について上司に報告できる.

補足です.

  • 卒業研究の詳細,卒業論文の1文1文は,入社のころには忘れてしまってもいいでしょう.卒業研究のことを説明することの意義は,次の2点です.
    • 働き出すと,物事があっという間に通り過ぎます.数日前にした仕事を忘れることさえあります.ただそれでは,前にやったのと同じ仕事を,同じだけ時間をかけてやり直さないといけないことにもなりかねません.自分にとって手間ひまかけて実施したことをいつでも思い出せるようにするには,いったん「何を対象として」「何を使って」「何をした」かを説明できるよう,頭の中の情報を再構築しておきましょう,ということです.
    • プログラミング能力と直接関係しませんが,卒業研究の内容や,そこで使ったものがユニークだと,上司の受けがいいです.
  • 卒業の段階では,「何を対象として」のみが与えられ,「何を使って」「何をするか」を自主的に決定し,行動できるという能力を目標に置いています.仕事をしていく中で,「何を使って」「何をするか」が上司/先輩から与えられれば,まずはそれに従うべきでしょう.ただ,上司/先輩の言う「何をするか」が,直接実行できないことも往々にしてあります.そんなときは*1,「何をするか」を細分化したり少し修正したりすることで,上司/先輩の望むものを満たすものにならないか考え,それから行動するわけです.
  • 書くプログラムの制限は,3年配属時よりも緩くなります.
    • ソースコードのサイズは制限なし.ファイルを分割して書くこともできるように.
    • 実行プログラムの質については,3年配属時と同様とします*2ソースコードの質については,上司/先輩が読むことのできるレベルとします.上司/先輩から添削を受け,さらに向上していきましょう.

上記の処理プログラムの作成に先立ち,そのコスト*3を見積り,難しそうなら,実作業に取りかかる前に上司/先輩に報告することができると,新入社員にしてはできるほうと見なされるのではないかと思います.

*1:上司/先輩に確認を求めることから始めるべきですが.

*2:「結果」だけを求める上司/先輩に当たるかもしれません.そのときのソースコードや実行内容の質は,あなた自身が保証することになります.

*3:金銭というよりはまず時間的コストです.すなわち,完成までの所要時間または所要日数です.ほかに,コード量や,必要な人員・物品なども出てくるといいでしょう.