昨日の“情報セキュリティ”*1の授業で,最初に一つ質問を挙げ,授業中に回答を書いてもらいました.
『私の授業では,説明の中によく,他の科目名を挙げています.このことは,学習の役に立っていますか?』という質問文です.
昨日の授業でも,∀と∃の組み合わせが出てきたら,「一階述語論理で,“離散数学”の科目で教わりましたよね」と言いましたし,プロトコル*2についても,「プロトコルという言葉そのものは,“情報ネットワークI”や“II”でも出てきたはずで,それを踏まえて,暗号を用いたプロトコルはうんぬんかんぬん」と話を進めていきました.
これまでの授業資料をもとに,他の科目をどのくらい挙げたかを振り返ってみると…
PGPとGnuPG,SSHとOpenSSHの比較に触れながら,安全なソフトウェアを開発し広く普及させる方法を思うままに述べていくと,“ソフトウェア工学”でも話されているだろうなあとか.
安全なシステムを「設計」ことに関連して,“データベース”で設計手法を学び,今は“データベース演習”では時間をかけて設計するとともに,計算機上で実現(データベース構築)をしているところですよねとか.
アルゴリズムを記述する際のマナーや,オーダ表記については,“データ構造とプログラミング技法”の範疇だなとか.
…あれ,意外と少ないなあ.
ともあれ授業を終えてアンケートを回収し,自室で見せていただくと,「復習しやすい」「教科書を参照しやすい」など,おおむね肯定的な回答でした.
ただ,「その科目を取っていない人にとっては分からないのでは」という回答もありました.たしかに,要注意,要配慮です.
他の科目で教わっているから知っているよねと流すのではなく,ましてや,教わっているんだから忘れた人は学び直しとけよと突き放すのでもなく,すでに他の科目で教わっていると思うんだけど,その概念や,そこで得た知見を,ここの授業ではこのように使うんですよ,と説明していき,技術・技法を結びつけることが大事なのだなということを,再確認しました.
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