わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

「自ら考え,切り開く学生」になるには

先例を探し,手を加える

一見新たな仕事をするときでも,過去に似た作業が行われていないか,そして成果物がないかを,調査しましょう.
何もない状態から「切り開く」というのは,けっこう困難です*1
ゼロから,自分なりに苦労して作り,これでどうですかと先生・先輩に見せたら,びっくりさせてしまうでしょう.
そのびっくりが「よく考えたな」なら,褒め言葉ですが,「そんなことまでせんでもええのに」なら,ちと失敗.
多くの場合,先生・先輩が,似た情報を持っているものです.
幸いにも文書ファイルか何かを手に入れることができ,作成者も分かっていて,配布も改変も自由と言われた*2とき…
そのまま使うのではなく,内容全体に目を通したうえで,気になるところを遠慮なく変更しましょう.
少しでも書き換えておくと,あとで見直したときに,どこに引っかかりを覚え,自分のためのコンテンツにしようとしたのかが,すぐ思い出せます.
1年前の文書を流用する場合には,日付変更もしないといけませんね.年だけ変えればいい,とは限らず,月日も曜日も要チェックです*3

手持ちの情報,きちんと管理

受け取った情報,自分で作った情報は,先生・先輩・同輩・後輩からリクエストがあれば「喜んでお渡し」できるよう,整備しておきましょう*4
ただし,独自の情報をすべて明かす必要はありません.
基本方針は,「手法・手順は公開」「鍵となる情報は必ずしも渡さない」.ちなみにこれは,担当科目「情報セキュリティ」から学んだことです.
情報は,プレーンテキスト,Word,Excelなど,使われ方に応じて分類します.もらったときはWordでも,文字装飾やページレイアウトの必然性が薄ければ,txtファイルにすべきかもしれません.
人からもらったものや,特殊事情でないかぎり,docx,xlsxといったOffice 2007フォーマットよりは,doc,xlsといった伝統的なOfficeフォーマットのほうが,多くの人に苦労をかけさせません.
WordやExcelで持っていても,改変されたくなければ,PDFに変換してから渡すのも,検討したいものです.
書面は,スキャナで取って,PDFもしくはJPEGで残すのも,よいでしょう.
そして各ファイルを,何らかの観点で,フォルダに分けて入れておきます.といっても,拡張子で分類するのは愚の骨頂です.私の場合,「20090407-seminar」のような名前にします.フォルダ名には日本語文字を入れず,ファイル名には積極的に使います.
そして,情報分野の卒研生・大学院生なら,Subversionを学び,TortoiseSVNをインストールし,日ごろからファイルの保守管理をすることを,強く勧めます.
ファイル検索は,そのフォルダ名・ファイル名から見るほか,全文検索もできるようにしたいものですが,Googleデスクトップをインストールするのが手軽です.
研究室内で,「あいつに聞けば分かる」と言われるようになればしめたものです.

置き時計をデプロイ*5

毛色の違ったアドバイスを.
研究室に配属され,机をもらったら,自分が快適に使うための本だとか何だとかを置きたくなるでしょう.
そこに一つ,お勧めしたいのが,「置き時計」です.条件があります.

  • 電波時計
  • デジタルで,時分秒を大きく表示
  • 月日と曜日も表示
  • 研究室の共有物にならないくらいの,手ごろな大きさ

机の上で,何かと手書きで文書を作成する機会が出てきます.そのとき,顔を上げて時計を見れば,月日が見えて,提出までの残り時間が逆算できる,これが理想です.
曜日感覚も,忘れないようにしましょう.さて時計で「年」が見えるほうがいいかについては,確かにあったほうがいいのですが,西暦と平成の両方が(当然,切り替え式でかまいませんが)表示できるものとなると多くありませんし,あともう一つ,「祝日」を知りたいとなると,2〜3千円で買える電波時計ではまず無理ですので,そこまで求めないでもいいでしょう.
最後の条件ですが,研究も置き時計も,「過ぎたるは及ばざるがごとし」です.

元ネタ

「自ら考え、切り開く社員」を育てる方法 - ITmedia エンタープライズのタイトルに着想を得ました.ただし内容は一切関係ありません.

(翌日いくつか書き換えました.)

*1:その困難に挑むことも,教育や趣味の場で,許されているものですが,人生は,時間も何もかもが有限ですので,コストパフォーマンスのよい手法を選べるのなら選びたいものです.とはいっても二十歳のときに,ある方から「努力は無限」というアドバイスをいただいたなあ….

*2:都合の良すぎる仮定に見えますが,学内・組織内でならいいよという制限付きなら,ないこともないでしょう.

*3:古くからcalコマンドを用いてきましたが,最近,GoogleデスクトップGoogle Calendar gadgetを入れ,快適に使っています.

*4:あなたが4年生で,かつ進学しないと決めているとしても,1年間の有形無形の成果は,「引き継がれる」ことになります.

*5:この「デプロイ」は,そのうち死語になりそう.