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基礎教養セミナーと私

「基礎教養セミナー」とは,私の所属する大学で,入学生を対象として実施するゼミ科目のことです.俗に「1年ゼミ」とも呼ばれます.

今,昔,そして

ひょんなことから,「基礎教養セミナーが始まったのは何年か」を調べることにしました.
ほどなく,研究室の卒業生名簿を見つけました.よく覚えている学生が,2006年3月卒業となっているので,2002年度が開始と分かりました.
もう少し調べると,自分で書いて公開しているWebページ(研究教育業績一覧)の中に,担当年度を書いていました.
「2002, 2004, 2006, 2007, 2009年度」と.
基本は2年ごとですが,事情があって2006,2007年度は連続で担当しています.そういうのをした教員は,私のほかもう一人.そしてその先生は2003年度着任なので…
自分が,学科の中では,基礎教養セミナーの担当回数,そして学生の人数も,一番多いということになります.
ただ,それだけの回数,実施しても,この授業自体にはとくに不満だとか,困りごととかは,感じません.
実施のメリットを挙げてみると,まず,今どきの大学1年生が何に関心をもっているかが,数人というサンプルですが,見えているように思います.
講義中にも,ちょっとした利点があります.数十人の学生の中で,直接目を合わせるのは難しいのですが,基礎教養セミナーで顔なじみの学生に照準を合わせて,真面目にノートをとっているなとか,あれれあいつ突っ伏してるよとかで,担当しない年度の学生集団に話すよりも,反応が理解しやすいのです.
それから,基礎教養セミナーを担当し,学生のいないところで自ら学ぶという機会を得なければ,「初年次教育」という概念を知らず,そして高校での学習から大学での学習へ,橋を架けるためのアドバイス*1というのも,意識することがなかったでしょう.
学生にとってのメリットは,って,基礎教養セミナーが導入される前のことを知らない学生に聞いて,はたしてどうなるのやら.
個人ではなく制度として,これから,この科目がどう変わるか,あるいはこのまま運用するのか,想像もつきません.
ただあともう一つ,過去・現在・未来をつなぐとすれば,これまで,基礎教養セミナーで受け持った各年度の学生のうち,最低1人は,私の研究室*2を志望し,入ってもらっているという,興味深い事実があります.
今年4月に受け持った8人の,2年後は,どうでしょうか.

*1:例えば,タイプA学習,タイプB学習, 高校と大学の違い

*2:ただし,2002年度入学生は,教授と私と同僚とで構成される研究室に対してです.