わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

標準講座C

標準講座 C (Programmer’s SELECTION)

標準講座 C (Programmer’s SELECTION)

学科プログラミング授業の教科書としてふさわしいか,自習書(参考書)としてどうか,ざっと読んでみました.
大枠としてはいいのですが,しかし教科書・参考書として単純に学生に勧めるのには問題があり,せいぜい,教員がCプログラミングの経験値を上げるのによさそうな内容でした.

  • C99に基づいています.//によるコメント,可変長配列,_Bool型,複合リテラルが入っています.
  • 関数名の直後に,常に空白文字があります.
  • 配列形式で宣言している関数の仮引数は,ポインタであることに,触れていません.
  • 索引にNULLがありません.本文ではp.342で,fopenに失敗したときの戻り値として言及があります*1
  • 「null文」という表記があります*2.しかも「null」が,forやwhileなどと同じタイプライタ体となっています.
  • 関数の中に,外部関数の宣言が入っています.
  • 関数名,変数名で長いものは,camelCaseとなっています.
  • 増分は常に「++変数」です.forの中でも「++i」などです.
  • 表紙には『たしかな基礎力と幅広い応用力を培うために』とあるものの,どのあたりが応用力につながるのか,読み取れませんでした.

*1:「ヌルポインタ」は索引にあって,p.228で,リスト(linked list)の表現に関して出てきます

*2:授業では「空文」と言っているものです.