はじめに
zjsのデフォルト設定では,予鈴1は開始5秒後,予鈴2は開始10秒後,発表終了は開始15秒後,質疑終了は発表終了から5秒後(開始20秒後)となっています.動作確認のため,こういう値にしていますが,実際の学会発表ではあまりにも短すぎます.
フォームでそれぞれの分秒を設定できますが,毎回毎回その設定をするのも面倒です.そこで,URLで設定できる仕掛けを設けました.zjsの仕様が大幅に変わらない限り,URLを指定すれば,同じ分秒その他の設定で,すぐにタイマーが利用できるということです.
指定方法には,次の2種類があります.
- URLの後ろに記述する
- zjsのHTMLファイルを開き,ロケーションバー(httpやfileなどから始まり,URLを打ち込むことができる領域)の末尾にカーソルを移動させて,「?p=5」などを打ち込み,Enterキーを押します.
- 「?p=5&mouse」のように書けば,複数指定することもできます.
- なお,Internet Explorerでzjsのファイルを開いたときは,ロケーションバーが「C:\」などから始まっていることがあります.そのときはURLではありませんので,この指定ができません.
- ファイル名に値を指定する
- zjsのファイルを手元に保存し,ファイル名を例えば「zjs_p=5.html」のようにしてから開きます.
- 「zjs_p=5_mouse.html」のようなファイル名にすれば,複数指定することもできます.
動作原理としては,URLの最後の「/」からあとに,特定の文字列が入っているとき,それをもとに設定します.以下ではURLの後ろに記述する方法をとり,和歌山大学に置いているzjsにリンクしています.
用意済み時間設定
卒業研究・修士論文の発表会や,学会発表で,よく使われると思われる時間配分については,簡単に設定できるようにしています.
- ?p=5:発表・質疑合わせて5分です.予鈴が2分30秒後に鳴ります.3分で発表時間終了です.質疑時間は2分です.
- ?p=10:発表・質疑合わせて10分です.予鈴が7分後に鳴ります.8分で発表時間終了です.質疑時間は2分です.
- ?p=15:発表・質疑合わせて15分です.予鈴が8分後に鳴ります.10分で発表時間終了です.質疑時間は5分です.
- ?p=20:発表・質疑合わせて20分です.予鈴が12分後に鳴ります.15分で発表時間終了です.質疑時間は5分です.
- ?p=30:発表・質疑合わせて30分です.予鈴が15分後に鳴ります.20分で発表時間終了です.質疑時間は10分です.
- ?p=30a:発表・質疑合わせて30分です.予鈴が20分後に鳴ります.25分で発表時間終了です.質疑時間は5分です.
zjsのデフォルト設定では「予鈴1」と「予鈴2」がありますが,上記の設定をすると,「予鈴」のみになります.
任意の時間設定
分単位や秒単位で,時間配分を細かく設定することもできます.
予鈴を7分,発表終了を8分,質疑終了を10分としたいとき,以下はいずれも同じです.
- ?p=10
- ?m=07000810
- ?m=070810
- ?m=7,0,8,10
- ?m=7_8_10
- ?s=0420000004800600
- ?s=042004800600
- ?s=420,0,480,600
構文は次の通りです.
- 「m=値」により,分単位で時間を指定します.値は以下のいずれかです.
- 8桁の整数: 2桁ずつにわけて,順に予鈴1が鳴るまでの分数*1,予鈴2が鳴るまでの分数,発表終了の分数,質疑終了の分数とします.
- 6桁の整数: 2桁ずつにわけて,順に予鈴1が鳴るまでの分数,発表終了の分数,質疑終了の分数とします.予鈴2は無効とします.
- 4つの整数: 順に予鈴1が鳴るまでの分数,予鈴2が鳴るまでの分数,発表終了の分数,質疑終了の分数とします.
- 3つの整数: 順に予鈴1が鳴るまでの分数,発表終了の分数,質疑終了の分数とします.予鈴2は無効とします.
- 「s=値」または「s値」により,秒単位で時間を指定します.値は以下のいずれかです.
- 16桁の整数: 4桁ずつにわけて,順に予鈴1が鳴るまでの秒数,予鈴2が鳴るまでの秒数,発表終了の秒数,質疑終了の秒数とします.
- 12桁の整数: 4桁ずつにわけて,順に予鈴1が鳴るまでの秒数,発表終了の秒数,質疑終了の秒数とします.予鈴2は無効とします.
- 4つの整数: 順に予鈴1が鳴るまでの秒数,予鈴2が鳴るまでの秒数,発表終了の秒数,質疑終了の秒数とします.
- 3つの整数: 順に予鈴1が鳴るまでの秒数,発表終了の秒数,質疑終了の秒数とします.予鈴2は無効とします.
- 注意点
- 上記の「質疑終了の時間(分数,秒数)」は,発表開始からの時間を指定します.発表終了後の,正味の質疑時間ではありません.
- 桁数固定の際,右揃えで指定し,左側は「0」で埋めてください.
- 「3つの整数」「4つの整数」を指定する際の,整数間の区切り文字は,「,」「-」「_」「 」のいずれかです.
- 時間が0になるような値を指定すると,パネルに表示されなくなります.
その他のオプション
- ベルの鳴らし方
- ベルのディレクトリ・ファイル指定
- d=ディレクトリ名:chime1.wav,chime2.wav,chime3.wavのあるディレクトリ名を変更します.wakkzenの実験版では,SofTalkを用いて「発表時間,間もなく終了です」などを言うようにしています.
- b=ファイル名:chime1.wav,chime2.wav,chime3.wavではなく,ファイル名1.wav,ファイル名2.wav,ファイル名3.wavを音声ファイルとします.
- 砂時計
- ユーザインタフェース
補足
上記のいくつかの指定方法で,「=」をつけなくても動作するものがありますが,分かりやすさから,原則として「=」をつけることをおすすめします.
複数指定した場合に,何が有効になって何が無効になるかは,まだ十分検討しきれていません.無理のない設定で,賢くご利用ください.
*1:「ぶんすう」ではなく「ふんすう」と読んでください.ここでは,「予鈴1が鳴るのは,発表開始何分後か」と同じ意味になります.以下も同様です.
*2:JavaScriptの音声再生やクロスブラウザ対応に関心のある方のみ,お試しください.「w=2」「w=3」も同じです.