「さて夕食か…」
「しっかり食べてや」
「んで今日は，どやったんや?」
「え?」
「一歳半検診やったんやろ」
「あそうそう…もう，育て方，完璧ですねって言われたんやから!」
「そっか．しかし1歳8か月やのに一歳半検診って，変やな」
「なんかね，なるべく成長した状態で見せたいからって，みなそんな風にしてるんやてね」
「まええゎ，何，診られたんかいな」
「いろいろやで．積み木とか，言葉とか，絵を見せてこれは何って答えさせるのとか…うちの子は全部，ひょいひょいやってんから!」
「へえ」
「あとね，この子最近，お医者さん嫌いになりそうやねんけどね」
「あ，そうなんか」
「注射がイヤなんやね．けど，『今日は注射せえへんから，賢くしとくんやで』って言い含めといたら，もお，聴診器当てられても何も言わんと，じーっとしててんから!」
「そらしっかりしててええなあ．そうや，身長体重は?」
「やっぱり一番大きいグループやね．（成長曲線を）超えてはなかったけど」
「そうかそうか」
「ママの子育て，パーフェクトやねんから」
「ああはいはい」
「ママ〜」
「ん? ドア開けたんかいな．そっち行っても，何もないで」
「おばけ〜」
「ああ，暗いから，『おばけ〜』ってか．ドア閉めて，戻っといで」
「……」
「う〜ん．…．わっ」
「あなた何すんのん」
「今この子，びくっとしたやろ」
「あ…あ〜ん，ママ〜」
「そんなんするから，泣いたやんか」
「今日の検診で，恐がりテストっつうのは，なかったんか」
「ありません!!」
