わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

扁桃腺を腫らしながら,体感したこと・学習したこと

月曜日の朝8時前,お医者さんから「扁桃腺が腫れてますよ」と言われるまで,ひとごとのように思っていた「ヘントウセン」ですが,いったん休んで落ち着いて,さっそくWebにアクセスしました.
wikipedia:扁桃腺wikipedia:扁桃炎*1wikipedia:扁桃の順に見ました.google:扁桃腺も,本エントリを書くにあたり上位から見て,一つ一つなるほどの気分です.
それはさておき,自分の経験したことを残しておきます.

頭は冴えている.思考力は下がっていない.

日中は寝込んでしまっていても,雑記はいつもの頻度と分量で,更新しました.短期的・中期的に,書くネタがずいぶんあるほか,ネタ帳に書いておいたキーワード(多くはエントリ名そのものか一部)だけを見て,完成までに何分かければいいかが,ほぼ瞬時に推測できていました.
土日は病院が開いていないので,徹底的に寝て治そうと決意しました.まあ人間,それが大げさなら俺自身に限定して,24時間研究はできないし,24時間ブログ執筆はできないし,それと同じく,24時間眠るなんてできません.基本的には眠って,思いついたらブログでなくてもいいからメモを書き残し,あとは娘を中心とした家族との対話でも,雑記の更新でも,レポートの素点でも,飯風呂寝るでも何でもいいやと開き直って*2,過ごしました.

だけど,ぼおっとした気分.身体能力も落ちている.

寝た状態から,上半身だけ起こしたとき.
PCの電源を切って,立ち上がったとき.
そこからすぐには,次のアクションがとれません.
ワンクッションどころか,目に見えて分かる時間---とにかく,思考力は落ちていないので---を設け,理性で「動こうか」と判断して,行動していることが,たびたびありました.
全身運動をする気には,もちろん,なれませんでしたが,「感覚」も狂っていました.
その最たるものが日曜早朝で,低温の朝,エアコンのデジタル式室温も5度とこれまでみたことのない数字だったのに,エアコン*3をつけることなくPCに向かっていました.「えー,どこが寒いん?」と言ってしまい,妻に「おかしいで,あなた!」とたしなめられました.

真夜中に冴える.

15日(土)の雑記登録時刻は01:27.16日(日)は02:51.17日(月)は00:17.18日(火)は00:23と,日常よく更新する時間帯(03:00〜07:00)と違う,というよりみな前に来ています.
(家庭内隔離と)睡眠の開始が,金曜日の夕方6時半からということもあって,普段と違う時間に目が覚めました.実は金曜日の深夜から土曜日の未明にかけては,日記更新と別件で,しておきたかったことがあったので,ちょうどよかったのでした.解熱剤のおかげで体温も下がっていたのも,幸いでした(?).
それ以降については,目覚まし時計をかけたわけでも,特にその時間に起きようと決意したわけではなく,「しんどくなったら起きる」の方針でやっていました.

水はOK.唾を飲み込むと,痛い.

高熱で,食欲があったかというと,日常の5%引きくらいで,まあ通常どおり,ありました.金曜晩の1食を除き,食事の時間になったらテーブルについて,食べていました.妻のすすめでココアも飲みました.
金曜日と月曜日(別の診療所です.近所ではありますが,もちろん別のお医者さんです*4)に共通して「鼻」と「咳」の問いがありました.尋ねられるまで気にもしなかったので,そこで,インフルエンザではないなと確信していました.
しかし金曜日には見つからなかった…思うに,扁桃腺が腫れだしたのは,日曜日からだと思います.金曜日までは普通の風邪で,これだけなら解熱剤と熟睡で治ったのですが,いつのころからか扁桃腺を蝕んでいて,こちらは少し安心していた土曜の晩〜日曜の朝に,大々的な攻撃を展開してきたのだと,勝手に想像しています.
日曜日からは,飲食物の喉ごしが,変わりました.まず何を食べるにしても飲むにしても,違和感があります.違和感の最も少ないのが,水.温度もほぼ関係ありません.一番つらいのが,唾ごっくんです.1日に何度もします.つらいときは,ティッシュペーパーに吐き出しました.これと比べれば,食べ物はまだましです.唾のほかに要注意だったのが,痰で,飲み込むのなんて,もってのほかです.

性欲低下.というかなし.

日常,あったところで,妻があないな状態ですから発散のしようがなく,仕事に家族にWebにと生活を送っていましたが,金曜から日曜までは,性的なものへの感覚が,違っていました.
身体的なもので1点,オブラートに包んだ上で,指摘すると,朝の物理的な違和感が見られませんでした.朝に限らず,布団の中だろうが,布団から出ようが,何しようが,ほんとさっぱりです.
じゃあ今は回復したのかというと,答えにくいのですが,感覚の違いというのは,妙なものです.

歯茎が弱くなったような.

歯磨きをしていて,また違和感です.歯茎から,血が出まくってそうな感触です.といっても,ブラシにも,口に含んでからぺっとする水にも,赤いのは含まれていません.
扁桃炎を引き起こすもとは,口内細菌と言われています.発症して抵抗力が弱くなったのが,歯茎にも影響していたようです.
それと,日常,歯茎のところも歯と同じ強さで磨いているのも,まあ違和感発覚の要因であったとはいえ,あまりよろしくなさそうです.
昨晩の食後は,少し優しめに,ブラシを当てました.

家族大事.

この数日間,妻の献身的なサポートに助けられました.金曜日には帰宅すると,PCのある部屋に敷き布団を運んでいて*5,しょっちゅう,体温や食欲などを聞いてくれ,月曜日には「インフルエンザでなかったら,(診療所から)大学まで車で連れていこか?」まで言ってくれました.
娘も,親馬鹿エントリに書いたあのタイミングと,寝るときを除いて,2階に来ることはありませんでした.
優しく,励ましてくださった,妻の父母にも感謝です.

生きたい.もっと,生きたい.

寝込んでいて一番つらかったのは,日曜日の夕食後です.心臓の鼓動を,感じ取りました.胸の苦しさもあります*6.体温も測る前から39度台と認識でき,その一方で金曜日にもらった解熱剤は底を尽き,眠る気分にも慣れない,そんな数分間でした.
本能的に「死ぬわけにはいかない」という気持ちが沸いたのですが,しばらくするとこれが,「生きるぞ」「生き抜いてやる」に変わって…

 「パパぁ」
  「う,すまんなこんな時間にこんな格好をしているパパで」

風邪でダウン

ローアングルから目にした,娘の笑顔を,思い浮かべました.そして気持ちが変化しました.
この子の二十歳の笑顔を見るまでは少なくとも生きたい,と.
と書いて,読者の方々には何じゃそらと思うかもしれませんので,背景にある一節を.

大人になって酒を酌み交わすことは,もしかしたらないかな.ただ,18歳になってすぐ,車の免許を取ると息巻いて,実際,高校卒業までに取得しそうな気がします.
そんな娘が運転席に,私が助手席に腰掛け,ああだこうだと指示を出すときに,改めて,親と自分,自分と子の関係を確認したいと思います.

親と自分,自分と子

もちろん死の淵(本当は違うけど)の自分がこれを鮮明に覚えていたわけではなく,自分にとって「生きる」とは何かを根源まで(そして幸いにも理性をもって)考えたとき,現れたのが「娘」と「二十歳」だったのでした.
その後は覚えていません.そもそも,「我が娘の二十歳の笑顔を見るまでは少なくとも生きたい」という表現も,今になって再構成したものです.

『家庭の医学百科』によると

昨日の夕食の前,妻が辞書のような1冊の本を手にしていました.

ホームドクター」「家庭の医学百科」,そして「医博 内山照雄」「医博 勝呂 長」の監修と書かれています.
Googleで調べてみますと,金園社による1967(昭和43)年版と,邦侑社による1970(昭和45)年版があったのかなと思われます.背の部分は何重にも布テープが張られ,中も,ぼろぼろとは言わないまでも「ぼろ」の状態で,おまけに奥付が見当たりません.序文あたりにも,手がかりはありませんでした.
買ったのは,間違いなく,妻の父でしょう.そしてメンテは絶対に,妻の母.なんと物持ちのいいこと!
という気持ちは抑えて,総索引から,扁桃腺を探しました.「扁桃」から始まる項目もいくつかありますが,「扁桃腺」だけだとp.33とp.487.後者は耳の病気のほうが主らしいのでぱっと見る程度にして,前者のほう.

いやもう笑いました.中段*7真ん中に,『高熱を出しますが,その割合に元気がよいのが特徴です』と書かれています.大当たりです!
もう一つの笑いどころは,このことを言ったら妻が見て,言ったのでした.「あなた,これ,小児科のページやねんで!」.
月曜の朝,病院から,大学ではなく家に帰る途中の言葉を思い出しました.「扁桃腺って,子どもがかかりやすい病気と思ってたけど,よりによってあなたがなんて…もう,子どもやね!!」

*1:食事中でかつ人体の内部を見ることに慣れていない人は,閲覧注意の画像が含まれています.

*2:判断力は…扁桃炎,もしくは高熱のために低下したのだろうか,それとも,異常事態で高揚してしまっただけだったのだろうか?

*3:起きたときだけ,かけていました.頭に熱がくるのは寝苦しいし,頭以外は布団・毛布・電気あんかで,じゅうぶんあったかいので.

*4:先のお医者さんから,薬を処方するにあたり体重を聞かれました.いちおう誤差の少ない目方を言うと,普通の人なら1回2錠だけど,3錠飲んでねと言われました.後のお医者さんのところには,その種の書類や物品をみな持って行き,提示したら,この体格やから1錠増やしたんやねえと言われました.息ぴったしです.

*5:ただし立ったりしゃがんだりを頻繁にするのはよくないので,寝間作りは基本的に私がしました.

*6:結果的には,むしろ,扁桃腺が大きくなることによる喉への圧迫だったのですが

*7:少し下段が見えているのが分かると思いますが,縦書き三段組です.