ある日.
「思うんやけどな」
「どしたん」
「さきの子とあとの子って,どんなときに泣くかがぜんぜんちゃうような」
「…」
「さきの子はな,自分のしたいことがでけへんときに,泣くねん」
「ああ,それはあるね」
「んであとの子は,大人がおらんのんで,寂しいって泣き方やな」
「そうやねえ」
「2人揃って泣くことは滅多にのぉて,一方が泣いてても,もう一方は距離を置いて,自分のしたいことをしてたり」
「そうでもないで,近くに2人おったらな,(泣いてない方が,泣いている方の)肩を叩いて,よしよししちゃったりもしてんねんで」
「そっか」
またある日.
「うわあああ〜ん」
「うむぅ,泣いとるな.えっとなになに,ボールペンを持ちたいってか.あかんあかん,お前,手ぇや顔に書いてまうやろ」
「うわあああ〜ん」
「さきの子やなこれは.あかんもんはあかんの!」
「パパ,渡しちゃってええよ」
「ん? ええんか.ほら.あっさり泣き止むなあ」
「それとその子,あとの子やで」
「あれ!?」