わさっきhb

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さきの子と電車に

自分も書いていてたまに間違うのですが,4歳を筆頭に双子を含む4人の娘がおりまして,当ブログではこの子らの名前を「うえの子」「さきの子」「あとの子」「すえの子」と記しています.さきの子・あとの子が双子です.幼児4人となると,夫婦だけではなかなか大変で,妻の父母の助けを得て,日々つつがなく過ごしています.
双子は一卵性ですが,生まれて2年少しもすると,ずいぶんと性格が違うのが分かります.さきの子は,出たがり・やりたがりなところがあります.あとの子は,おとなしく絵本やDVDを見るのが好きなようです.保育所でも,一緒に遊ぶ子がそれぞれ違うとのこと.もちろん完全に分離ということはなく,家では,食べ物を2人して「ほし」「ほし」とせがむことが,けっこうあります.
生まれたのは40分ほどの差しかないものの,さきの子は姉であることを意識しているのか,すえの子と仲良しです.あとの子は,うえの子の後をついていって2人で遊ぶシーンが多いです.
そんな中,昼休み前に,電話がかかってきました.
  「もしもし,母さんか」
「みな元気か?」
  「まあね」
「今度な,さきの子ちゃんを,和歌山市駅まで連れて来てほしいねん」
  「ああ,みたいにか」
「そやねん」
  「それはOKやが…今ちょっと,手ぇが放されへんから,何時に着いたらええんかとか,詳しいことは,家に電話かけてくれるか」
「そないするわ」
  「ところで…すえの子,やね」
「ちゃうよ.さきの子ちゃんやで」
  「ん? さきの子,一人?」
「二人は大変やもん」
  「あ?」
帰宅して,妻に聞いてみると…実家の母としては,うえの子や,すえの子とは,一緒に遊ぶことをしてきているけれど,さきの子・あとの子はまだなので,遊ばせてやりたいと,実母から妻に話していたとのことで.
その日を迎えました.さきの子とあとの子は双子の服装,なのですが,胸に名札がついているのは,あとの子だけです.
「いってきま〜す」で元気よく出発し,さきの子と手をつないで歩いて,駅まで.
貴志川線は朝の混雑時で,座るのはもちろん,さきの子にとっては壁も手すりも持つことができません.手を握るのでは,ガタゴトいって不安なので,こちらはしゃがみました.さきの子は,こちらの太ももに手を置き,これでかなり安定しました.
次の駅に着く前に,「乗る人,降りる人がおるからね」と立ち上がったところ,さきの子は不安な表情を浮かべずに,こちらを見上げます.電車が動き出し,再びしゃがむと,さきの子もしゃがみました.2人で笑いました.
和歌山駅では,階段を降りて,昇って,和歌山市駅までの切符を買って,階段を降りて,昇って,さっきまでと別の乗り場に着きました.昇りるのが大変なら,だっこしようかとも思いましたが,さきの子は階段の手すりを持ち,一歩一歩,上がっていきます.この様子なら,今日は大丈夫でしょう.和歌山-和歌山市は,数分ですが,座ることができました.さきの子は,こちらの太ももに手を置いたり体を預けたりして,余裕の表情です.
和歌山市駅エスカレータを上がると,改札の外に,母が待っていました.一端改札を出てから,着替えを渡し,4人の子らへのプレゼントを受け取りました.それでは1日よろしく,ということで母は早速,さきの子に,カードを改札機に通すことを教えていました.こちらは普通電車で和歌山大学前駅へ(平日なのです).
迎える時刻を聞いていたので,夕方,大学からバスで和歌山市駅へ.スマートホンを見ると,シャットダウンの確認画面になっていました.念のため再起動してみると,ほどなく,電話が鳴りました.
  「もしもし,母さんか」
「あんた,電話切ってたんかいな」
  「いやそうではないんやが」
「さきの子ちゃんね」
  「ああ」
「どうしようもなく泣いたんで,昼前に,(妻)さんに迎えに来てもろてんで,和歌山市駅まで」
  「おっと,そうなんか」
「はよ家に帰ったりや」
  「わかった.1日ごくろさん」
帰宅して居間を見ると,ゆったりくつろいでDVDを観る,さきの子の姿がありました.