「お,ママか.おはよう」
「おはよう.今日は誰も起きてこんかったわ」
「ふーん」
「パパ,耳かき終わったら,あたしにちょうだい」
「あいよ.ほるぞ…ほい」
「ありがと」
「何や廊下から足音がするんやが…」
「あとの子ちゃんやね」
「そっか」
(がちゃ)
「ほんまや…あとの子よ,おはよう」
「おはよお」
「お!? 風船,持っとんのか?」
「この子,この風船が好きみたいやねん」
「そっか.んでいつものように,ママの膝元へ行く,と」
「せやね」
「あれれ,ママが持ってた耳かきを取って…」
「いやいや,すえの子よ,その耳かきでな,風船をぽんぽん叩くんは,ええことないんやぞ.そのうち,そこのゴムが弱ゎなってな,そしたら破裂してお前,びっくりすることになるんやからな.やめとき」
「…」
「パパの話が,長かったか?」
「そんな顔やね」
「ほな簡単にしちゃろか…パンしたらバーンや!」
「それは分からんと思うな」
「あれれ,叩くんに替えて,バイオリンの演奏してるみたいに,耳かきを前後に動かし始めたぞ…」
近影(浜松市楽器博物館にて):
(最終更新:2015-03-17 朝)