全体的にはあまり面白みのないやりとりです.むしろ,かの方を数学者と認識していなかったというところに,新鮮さを覚えました.
はてブする前に,http://b.hatena.ne.jp/entry/togetter.com/li/903063を見ていて,後部の「関連エントリー」の1番に当ブログの記事が出ているのは申し訳ないな,2番目と交換というのは運営上,難しいんだろうな*1と思いながら,コメントなしのはてブをしたものです.
今朝,読み直すと,冒頭のTogetterのコメント内に,当ブログ記事へのリンクがなされていました.
そして,別個なのか連動なのか分かりませんが,ツイートもありました.
現在の数学者は,かけ算の順序についてどのような見解を出していますか?*2の内容に限って言えば,いまの数学者は総じて,「かけ算の順序」に否定的であるのが明瞭なのですが,その中から1例を挙げて,自分の意見に賛同する考えが,数学者の記述の中にもあることを,示そうとしているように見えました.
もし,[twitter:@CoveCowardMonit]さんが,今回のやりとりを機に,数学者がどのような考えで「かけ算の順序」論争を見ていて,また雑誌の解説や単行本といった形でアウトプットしているのかを認識しておきたければ,ネット上のつまみ食いではなく,リンクしてくださった記事に挙げた雑誌や本を一つ一つ,手に取って読むすることから始めるのがいいと思います.『季刊 理科の探検 (RikaTan) 2014年 10月号』は図書館のほか,理科や科学に関わる施設で聞けば,見つかるかもしれません.上記の,当ブログの記事では引用(quotation)を入れなかった,「かけ算の順序強制問題」は,たった4ページですが,批判の集大成になっています.
ここまで「かけ算の順序」と書いてきましたが,たし算にも順序もあるのかが問われています.昨年は「正方形は長方形」が盛り上がったほか,1年で学習する「さくらんぼ計算」への批判も,容易に知ることができます.
そういった,算数教育に関するブログ記事やツイートを見たり,また書いたりしていると,「駕籠に乗る人担ぐ人そのまた草鞋を作る人」を思い起こします.
昨年,正方形・長方形の話と関連づけて,「そのまたわらじをつくる人」でありたいを書いたのですが,その後,認識が変わっています.
教育問題での「草鞋を作る人」は,学校の先生です.そして草鞋は授業そのもの…ではなく,Web上で公開された学習指導案や,指導の知見を記事・報告書など,先生方のアウトプットに対応します.同業者(学校教師)だけでなく,我々も見ることのできるのが,昨今のネット事情として大切な要素です.
担ぐ人は,算数教育をネタにした,情報発信者です.「ネットの」という限定はあえて外しています.上の記事で取り上げた数学者らも,やはり担ぐ人になるからです.
駕籠に乗る人は,オンライン・オフラインで主張を目にして,「今の小学校って,おかしいことをしているんだな」と思う人です.ただ,もともと駕籠に乗る人だったのが,関心を持って情報発信していき,駕籠を担ぐ人になることがあるのは,「駕籠に乗る人…」の確立期には,想像がつかなかったかもしれません.
その中で,私自身はというと,駕籠を見る人・草鞋を見る人,に位置づけられます.実際算数を教えているわけではない一方で,草鞋に対応する書籍のほか,学習指導案も参照し,はてブしたり,当ブログ上で取り上げたりしてきました.草鞋の材質や耐久性*3には関心がありますが,自分の足を乗せてみるかというと,躊躇しています*4.
自分で草鞋を作れるか,あるいは人が乗って快適な駕籠を作れるかというと,いずれもyesと言いづらいものです.ただ,駕籠に乗りたい人・担ぎたい人の心情,言い換えると「かけ算の順序」の論点については,かけ算の順序論争 (2013.11)として,まとめ上げることができました.
駕籠よりも少し,草鞋に近い話として,関心を持っているのは「アレイ図」です.配る問題,かけ算の順序はツイートに着想を得て作った,今年の成果の一つです.ブログ上のアレイ図は,今もよく参照されますが,内容が少し古く,時間をとって改訂できないかと考えています.