わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

準備の章

これまで学生の卒論原稿添削に,時間をとっていました.本日提出です.
昨日の添削で,何人かの学生に,1.4節の書き換えを指示しました.
みな,内容は当然異なりますが,研究室で培われてきた「テンプレート」があり,学生はその書式に則って書いています.当研究室のテンプレートを簡単にいうと,最初の章は「はじめに」,最後の章は「おわりに」です.最初の章の節もほぼ決まっていて,「1.1 研究背景」「1.2 研究目的」「1.3 本研究の成果」「1.4 本論文の構成」です.そして2章は「準備」です.
準備の最初の節では,研究対象を,事例や図・画像などを交えて紹介します.その後は,論文の内容により異なってきます.対象を管理するためのデータベースシステムを研究室で開発していたら,その説明をします.関連研究も,2章の中で節を設けて書きます.システム開発に使用しているソフトウェアは,3章以降,作ったものを説明する中で言及するのがよいと思いつつも,2章でもかまわないことにしています.
そうしたとき,1.4節は「本論文の構成は以下の通りである.2章では準備として,…,…,…を説明する.」とするのが,出だしの基本パターンとなります.「…」には,とりあえず,2章各節の節見出しを順に置きます.節の間で重複があれば,記述を減らしたり,反対に接続詞や,「について述べた後に」といった接続表現を加えたりして,調整していきます.
2章を「準備」,英文だとPreliminariesとするのは,自分の修士論文・博士論文からの慣習です.学会発表の予稿でも,これを使うことがあります.もちろん,1〜2枚の全国発表用予稿は別です.なので,常にこうせよではなく,書きやすいパターンの1つとして,維持したいと思っています.
上記の「テンプレート」「基本パターン」は,「型」と言い換えることができます.型を作っておくと,書き出しやすいですし,同じ型で以前に書かれた文章と,違いを比較しやすくなります.
学生には,研究室の本棚の卒論・修論を参考にせよと伝えています.これは,丸写しを意味していません.複数の人が使用している「書き方」を見つけて,原稿に取り入れ,その上で,自分のストーリーに読者を引き込んでほしいという期待があります.
とはいえ,おかしなところを真似されても困ります.昨年度の卒論を参考にしたのか,サーバの使用の説明に,OSがUbuntuで,バージョンが4.いくつというのには,びっくりしました.おそらくその値は,Linuxカーネルのバージョンです.
いえ,研究室の基幹サーバはUbuntu 14.04 LTSでカーネルバージョンは3.いくつだし,15.10からカーネル4を採用しているとはいえ,前年度の卒論でその話が出るのはおかしいです.一体何があったんだ….