わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

情報セキュリティの学び方・教え方

すごいや,すごいや.で終わるわけにいかないので,少しばかり思ったことを.
id:tetsutalowこと上原先生は,和歌山大学にて数年間,教鞭をとられ,その後,他大学へ転出されました.私が情報セキュリティの授業を担当するようになったのは,転出されたのより後のことです.
上原先生は和歌山大学にて,ある先生とともに研究室を運営されていまして,大学院の某ゼミを通じて,学生さん(そして研究室)の動向を知る機会がありました.「ある先生」は現在,研究室を運営し,学生に人気のある研究室の1つとなっています.その先生も,今年度,知能科学のクラスタ*1に参入されまして,先日は某ゼミのディスカッションにて,短時間ながらとてもとても「ごってりした」お話を聞かせていたくこととなりました.
そういったことを踏まえて,自分の担当する科目はというと,昨年度ならPOODLE攻撃だとか,今年も何かしら,取り入れたいとは思っていますが,基本的な枠組みと,何を学んでほしいかは,取り上げる流れを確立して以降,大きく変えていません*2.授業を終え,セキュリティをより深く学びたい,卒業研究のテーマにしたいと思っても,自分の研究室では現在やっておらず,上述の先生の名前を挙げるのは,初回授業の定番のひとつです.
3年前期というタイミングの科目を通じて,知ってほしいことは,セキュリティ分野の広くて深い内容の存在よりもむしろ,それまでに学んだことが,どんなところで生かせるかだと思っています.2年の前後期に,情報ネットワークの授業で学んだ内容は,当然のように基礎となります.数学は微積分・線形代数よりも,離散数学が重要になってきます.多数のデータを見て,解決の糸口を探るのは,プログラミングの演習で取り組んできたはずです.オーダー記法も,OSの振る舞いも,エンドユーザの行動も,情報セキュリティで必要になってきますので,これまでこんなことを教わったり経験したりしましたよねと,軽く復習してから,セキュリティの文脈で学んでほしいことへと,つなぐよう,心がけています.
来年度から3年生向けの科目も「メジャー対応」となり,科目名とともに,授業内容もメジャーを意識して,変えていくことになります.情報セキュリティのみならず情報教育の「つなぎ役」であることを意識して,引き続き授業をしていくとします.

*1:http://d.hatena.ne.jp/takehikom/20160413/1460492982

*2:http://d.hatena.ne.jp/takehikom/20130614/1371156988.そこでも書いたとおり,授業で取り上げられないが,自分で学びたい,ホットな内容を整理して理解したい,というニーズには,PowerPoint作成というレポート課題に取り組んでもらっています.