わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

大学で学ぶことのすすめ

「大学で,コンピュータのことを学びたいと思った人に,いくつかアドバイスを贈りたいと思います.
 大学をはじめとする教育機間で学ばずに,出版物やネットの情報を活用して,独学することは,可能です.
 しかし,そういったところからの学びでは,体系的な知識を獲得しにくい,と言うことができます.
 コンピュータの理解そして活用には,プログラムを作って動かす作業(プログラミング)が必須です.画面とにらめっこして取り組んで,一つ,またはいくつもプログラムを作成した,という実績に加え,調査して得た情報,また理論どおりにいかないときの対処法などを通じて,自分が経験した分野を,十分に理解できたとしましょう.そしてその中には,大学では決して教えられることのない話も,あるかもしれません.
 なのですが,そういった方法のみでの知識の獲得では,新技術だとか,新しいトピックを目にしたときに,どのような原理に基づいているかが,よく分からない,ということが起こり得ます.
 大学では,どうかというと…
 コンピュータに限らず,専門分野の体系を,効率良く学ぶことができます.カリキュラムが組まれ,学生を受け入れて指導を行い,教員の退職や新規採用,また社会情勢に応じて,科目の入れ替えやカリキュラムの改編が,なされています.
 教員にとっては,学生と対話すると,何についての理解が足りないか,何を学べば本人の強みをさらに活かすことができるか,といったことにも気がつきます.その足りないことを埋めることのできる科目を,学部で,大学で開講しているのなら,履修するといいですよと,提案することになるのです.
 大学で学ぶことの,また別のメリットとして,先ほど独学の話で取り上げた,『新技術が,どのような原理に基づいているか』への対処を,挙げることができます.
 授業にないトピックでも,教員は知っていることが,よくあります.
 昨年から,『生成AI』が猛威を振るい,無料で手軽に,問い合わせてその結果を,我々は活用できるようになっています.では,『生成AI』を教えるという授業科目が,大学にあるのかというと,私の勤めている大学では,科目名としては,ありません.去年今年ですぐに,使い方を教えますよといった科目を設置するわけにも,いかないのです.
 しかしながら,使い方だけでなく,どういうときに使うべきではないかといったこと,また従来のAIや,情報検索や既存のQ&Aシステムなどと対比して,動作にどのような違い,そして特色があるのかといったことが,出版物やWeb上の情報として公開されています.教員は,必ずしも業務ではなく,いわば個人的な関心事として,情報収集を行い,それにより,どんなことは十分な確信を持って言うことができ,どんなことは現段階で未知であるのかを,把握します.更新も行います.授業でその一部を伝えたり,学生や他の教職員から質問があったときに答えたりします.結果として,大学において『知の営み』がなされているのです.
 ところで,授業にないトピックについては,教員が答えるだけでなく,学生どうしで学ぶということに,なるかもしれません.同じ授業科目を履修し,教室が一緒になる学生どうしだけでなく,クラブ活動・サークル活動,研究室の中,など,さまざまな状況で,学生どうしで学ぶことが容易であることも,大学に通うことの,メリットとして挙げたいと思います.
 大学に通うと何ができるかについて,ここで,変化球を投げたいと思います.『指導教員はだれそれ先生です/でした』だとか,『なになに先生のこれこれという科目を受けたことがあります』といった経験,そしてそれを学内だけでなく学外でも,すなわち就職活動のときや入社してからでも,良いタイミングで言うことによって,他の人とのコミュニケーションを円滑にすることがあるかもしれないのです.
 とはいえ,どの先生に教わりたいかを目指して,大学に入学することは,おすすめしません.人気のある先生は,他の大学に移られるかもしれないし,実績があって著名な先生は,定年退職を控えているかもしれません.学外で先生の名前を挙げて,知らないと言われると,その先生の説明に,時間を取られることになってしまいます.
 ここまで,科目名を挙げることなく,『大学で学ぶことのすすめ』を説明してきました.大学では多彩な科目が開講されています.次のスライドで,和歌山大学システム工学部の今年度からのカリキュラム構成を見ながら,より具体的に,どのようにして何を学んでいくのかを,解説したいと思います」

なにこれ

 某年月日,高校訪問をしまして,教室にて「コンピュータ」について解説しました.
 事前にスライドを作成しました.「和歌山大学システム工学部のカリキュラム構成」や,「情報教育を基盤とした工学教育が求められる時代の背景」などについては,以前に作成されていた広報資料を流用しました.
 ところで自分が高校1年生のときは,「高校の上に大学がある」といった程度の認識で,あとは勉強と部活動(柔道)に明け暮れていました.同じような認識の生徒がいたときに,「大学で学ぶことのすすめ」を伝えておきたいと考え,独自にスライドを作成しました.
 上記の話した内容は,1枚のスライドで,10行ほどの分量でした.位置は最初ではなく,表紙や,見出しのみを含めて全部で21枚のうち,「大学で学ぶことのすすめ」のスライドは,16枚目でした.
 別記事にて,他に独自作成したスライドをもとに話した内容を,文章化していく予定です.