わさっきhb

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七五三の絵はがき

はじめに

某年月日,帰宅すると,テーブルに絵はがきが2枚,ありました.
宛名は,1枚はさきの子,もう1枚はあとの子です.
送り主は,神社です.七五三の案内でした.
裏面は,2枚とも同じです.着物姿の男の子・女の子・女の子の,カラフルな絵柄です.

その1(すえの子と)

 「ねえ,パパ」
  「…ん?」
 「パパ,見てよ,これぇ」
  「見たよ.七五三のお詣りに来てね,って絵はがきやな」
 「きれいな字ぃやね」
  「ああ,宛名のあとの子の名前,なあ.毛筆の小筆で,きれいに書けてるゎ」
 「だれが書いたん?」
  「ん〜,お宮さんの人やろ.神社やったら,こういう直筆は,お手のものやからな…」
 「そうなんや…」
  「…おっと,この字,『四』やんな?」
 「しってるよ」
  「いや,こくごの授業で教わってる漢字と,ちゃうやろ?」
 「?」
  「書いちゃある字ぃな,中の2本が真っ直ぐ降りてて,『目』を横にしたような形やんか」
 「そういわれればそうやね」
  「んで,こんな字ぃ,学校では使わんよな?」
 「ん〜,先生がこんなんでかいてるけど」
  「書いとんのかい」
 「でもあたしは,ちゃあんと『四』ってかくけどね」
  「しっかりしとんなあ」

その2(うえの子と)

「それでね,」
  「おおっと,電話や.ママが言うてた,あの人からとちゃうんか?」
「そうやわ,電話取るね.…もしもし」
  「(ま,ママも慌ただしいな…)」
 「パパぁ」
  「ん? うえの子か」
 「この絵はがきさあ…」
  「さきの子・あとの子宛の,絵はがきが,どうした?」
 「3人の子どもの絵ぇやんか」
  「そうやな」
 「一番小さい女の子は,何才?」
  「七五三って言うからには,三歳とちゃうんか?」
 「次は?」
  「男の子は,五歳やな」
 「それで?」
  「(よし,ここでボケよう)一番背の高い女の子は,七十歳やな」
 「え〜なんでよ〜!!」
「しっ!!」
  「おっとおっと,大声だしたらあかんねんで」
 「(小声で)パパがボケるから…」
  「あーはいはい.しかしこの男の子…」
 「何かあるの?」
  「顔な,ポコちゃんに,似てへんか?」
 「(声を出さずに激しく笑い始める)」
  「お,久しぶりにツボにはまったか.ママの電話が終わるまで,口をふさいどきや」