徳島県立近代美術館にて.
「(パパひとりになってしもたか.ま,そのうち合流するやろ…)」
「あっ,パパ!」
「ん!? さきの子やな.大きな声,出したらあかんねんで」
「つかれたよもぉ…」
「こらこら,こんなところで,床にお尻をつけて座るな」
「だってぇ…」
「気持ちは分かるが…ええもんあるぞ.向こう,見てみな」
「なに,パパ?」
「イスがあるやろ.座るところ,ちょっとふかふかや」
「あそこに座ってな,落ち着いて,展示物を見なさい」
「(無言で立ち上がる)」
「勢いよお,掛けだして,ほいでイスにダイブしおったぞ,さきの子は」
「顔がふかふかのとこやから,何も見えてへんし」
「あっ,館員さんが来はった…すみません.さきの子よ,行儀よおせえ」
と思いきや,ダイブに伴って,さきの子はお気に入りのキーホルダーを落としており,館員さんはそれを拾って笑顔で,さきの子に渡してくれました.