「パパ,かたぐるまして」
「すえの子かいな.なんや機嫌が良さそうやな.ま,肩車やっちゃろ…」
パパはしゃがんで,すえの子はイスの上から,パパの首の上へ.そして立ち上がり…
肩車が完成しました.
「すえの子よ,ここからどうする?」
「あるいて」
「へいへい.背筋を伸ばして,ゆっくり,ゆっくり…」
「お,さきの子や.ほ〜らほらほら,すえの子の背ぇが高くなったぞ」
「(見上げながら)ふうん」
「ところでさきの子よ,『回れ右』って,学校で教わってるか」
「しってるよ」
「よし,ほな,やってみよか.まずは気をつけの状態にして…」
「右足を下げて…」
「右方向に180度,クルンと回って…」
肩車の2人の軸を意識しながら,ふらつくことなく,回ることができました.
「うわっ」
「すえの子よ,楽しいか?」
「たのしい」
「もっかい右足を下げて,気をつけの状態になったら,回れ右は完了.さきの子よ,ちゃんとできたか?」
「できたよ〜!」
「そう答えてくれるんはええけど,お互い見えへんねんな.もっかい,回れ右をするか」
「うん!」
再度,クルンと回ったとき,肩車の上のすえの子も,目が合ったさきの子も,喜んでくれました.