「さてそろそろお仕事に行くんやけど…」
「ふむ,すえの子はお着替え中な」
「そうやで!」
「え!? すえの子よ,ちょっと立ってみ」
「どうしたの?(立ち上がる)」
「左足に,かさぶた,できとんのか?」
「どこ?(体をひねる)」
「それは右足.反対反対,左のやな,足首に近いところ…そこや!」
「これ?(足についているのを剥がす)」
「おい!! かさぶたは,めくったらあかんのやぞ! また血ぃが出るねんから!!」
「(剥がしたのをしばらく見てから,口に入れる)」
「食べるんかよ!」
「パパ,これねえ…チョコレートやねん」
「ち…チヨコレート? グリコ・パイナツプルの,チヨコレートかいな」
「あまかったし」
冷静になって周囲を見渡すと,テーブルの上に,チョコドーナツがありました.
すえの子か,ほかの子かは,定かではありませんが,誰かが食べていて落とした,チョコレートのかけらが,すえの子の足にくっついたのでした.