わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

二乗九九で,答え一発!

  「パパに,もんだいです」
   「あとの子か,何や?」
  「11かける11は?」
   「ん? 121(お姉ちゃんに教えてもらったのかな…)」
  「正かいです.じゃ,つぎ,12かける12は?」
   「144やん」
  「えーパパすぐ答え言えるのぉ? じゅうさ…」
   「13かける13は,169.14かける14は,196.15かける15は,225」
  「…」
   「16かける16は,256.17かける17は,289.18かける18は,さんびゃくよ…じゃない,324」
   「19かける19は,361.20かける20は,400.21かける21は,441.あとの子よ,もおええか」
  「もうええよぉ!」

ワンライナーで答え合わせ

$ ruby -e '1.upto(21){|i|puts"%2d * %2d = %3d"%[i,i,i*i]}'
1 * 1 = 1
2 * 2 = 4
3 * 3 = 9
4 * 4 = 16
5 * 5 = 25
6 * 6 = 36
7 * 7 = 49
8 * 8 = 64
9 * 9 = 81
10 * 10 = 100
11 * 11 = 121
12 * 12 = 144
13 * 13 = 169
14 * 14 = 196
15 * 15 = 225
16 * 16 = 256
17 * 17 = 289
18 * 18 = 324
19 * 19 = 361
20 * 20 = 400
21 * 21 = 441

最近読んだ本より

算数の先生 (ちくま学芸文庫)

算数の先生 (ちくま学芸文庫)

兄「えらい! すっかりにいさんの手品のたねをみすかされてしまった。まったくおまえのいうとおりだ。1から始まる奇数数列の和は、いつでもその項数の二乗に等しいものなんだよ。つまり項数(1, 3, 5, 7, 9)五この和は25、八こでは64、いっぱんにnならば、和はn^2になる。それにしても、おまえは16の二乗をすぐに256といったね。」
二郎「はい「二乗九九はおぼえておくがよい。」と先生がおっしゃったので、ぼくは20まで暗記しています。」
兄「ますますえらい! 二乗九九は代数計算では始終でてくるものだから、いまからおぼえていることは、ひじょうにけっこうだよ。」
(pp.239-240)

なお,p.239の上部には,1×1=1,2×2=1+3,3×3=1+3+5,…,6×6=1+3+5+7+9+11というのが分かる図(wikipedia:平方数の丸の並びと同様のもの)があるほか,p.241には枠で囲って,「20までの平方九九の表」が記されています.

思うこと

「二乗九九」「平方九九」という表記は,興味深かったのですが,個人的には11から20までの二乗は,暗記するというよりは,まずは筆算で求め,電卓*1で検算し,それから,平方数のさまざまな性質を見つけるという流れで,理解を深めるのが,2年のかけ算の九九(乗法九九)と関連づける*2ことができてよいのではと思っています.
上記引用に「1から始まる奇数数列の和は、いつでもその項数の二乗に等しい」というのがありますが,逆に平方数から出発してみます.0から始まる平方数を数列とみなして(0, 1, 4, 9, ...)その階差数列を考えると,1, 3, 5, ...ですので,正の奇数を小さいものから並べたものとなります.
冒頭の会話の中で,もし,18×18=342と計算ミスをしてしまっても,17×17=289と19×19=361の間に「18×18=342」がくるというのが不自然と気づくわけです.実際,18×18−17×17=342−289=53,19×19−18×18=361−342=19というのは間隔がおかしいです.正しくは,18×18−17×17=324−289=35,19×19−18×18=361−324=37です.
11から20までの二乗の中には,算数・数学以外の分野で基本となる数があります.16×16=256は,8ビットで表せる数が256通りあることを意味しますし,19×19=361で,まっさきに思い浮かぶのは囲碁の19路盤です.

2のべき乗九九

「2の何乗」というのも,何の部分を1から順に変えていって,計算することができます.ここでもワンライナーで,出力させましょう.

$ ruby -e '1.upto(32){|i|puts"2 ^ %d = %d"%[i,2**i]}'
2 ^ 1 = 2
2 ^ 2 = 4
2 ^ 3 = 8
2 ^ 4 = 16
2 ^ 5 = 32
2 ^ 6 = 64
2 ^ 7 = 128
2 ^ 8 = 256
2 ^ 9 = 512
2 ^ 10 = 1024
2 ^ 11 = 2048
2 ^ 12 = 4096
2 ^ 13 = 8192
2 ^ 14 = 16384
2 ^ 15 = 32768
2 ^ 16 = 65536
2 ^ 17 = 131072
2 ^ 18 = 262144
2 ^ 19 = 524288
2 ^ 20 = 1048576
2 ^ 21 = 2097152
2 ^ 22 = 4194304
2 ^ 23 = 8388608
2 ^ 24 = 16777216
2 ^ 25 = 33554432
2 ^ 26 = 67108864
2 ^ 27 = 134217728
2 ^ 28 = 268435456
2 ^ 29 = 536870912
2 ^ 30 = 1073741824
2 ^ 31 = 2147483648
2 ^ 32 = 4294967296

これも「九九」と同じように暗記するとしたら,まずは2の10乗まででしょうか.欲張るなら,1ずつ増やして覚えるより,2の16乗(アーキテクチャに依存しますが1ワード)と2の24乗(RGBが8ビットずつ,True Colorの色数)でしょう.
別の見方として,2の10乗はおよそ1000(千),2の20乗はおよそ1000000(百万),2の30乗はおよそ1000000000(十億)というのもあります.「キロバイト」と「キビバイト」の違い…と言っていくとまたコンピュータ関連になってしまいます.
上記の答えについて,そろばんや電卓やコンピュータを持ち出すことなく,「1+1=2,これが2の1乗」「2+2=4,これが2の2乗」「4+4=8,これが2の3乗」というように,たし算だけで求めていくことができます.うえの子もさきの子もあとの子も,1年のとき,「1たす1は?」「2たす2は?」「4たす4は?」「8たす8は?」として,満足のいくまで順に計算していました.

*1:個人的にはPC使用中はたいてい,端末エミュレータを起動していますので,zshの自作function http://d.hatena.ne.jp/takehikom/20101217/1292526657 で「_ 11*11」といったコマンドを実行して計算することが多いです.

*2:念頭に置いている乗法九九の性質には,「乗数が1増えれば積は被乗数分だけ増えること」があります.交換法則は,二乗九九・べき乗九九に対して,活用できそうにありません.