昼休み中に電話が鳴りました.
職場ではなく,個人所有のスマートフォンです.
取る前から,誰からなのかが分かります…実家の母からです.
用件は,「食べ物を持って行くので,取りに来てほしい」でした.
場所はいつものように,和歌山大学前駅です.母はとんぼ返りします.我が家に来たがりません.
待ち合わせの時刻に到着し,思っていたよりも大きな袋を受け取りました.
中身を聞く前に,母の口が開きました…「お好み入れてるねん」.
母はよく,お好み焼きのことを「お好み」と言います.
前に母が,我が家に電話をかけたときに,さきの子が応対して,「お寿司とお好み,どっちがいい?」と尋ねたら元気よく「おこのみやき!」と言ったので,子どもの数だけ用意したとのこと.
「あの声は,さきの子ちゃんやったでぇ…ほな,家族一同によろしく」で,帰っていきました.
袋からの,ほのかな温かさとにおいが気になりつつも,そしてもっと温かくにおいもあった状態で母が電車に持ち込んだことに思いをいたしつつも,袋を隠すことなど,できなかったので,そのまま持ち帰りました.
子らが食卓にいました.「さきの子よ,あっちのおばあちゃんに,お好み焼きがいいって答えたんか?」と尋ねたところ,「そんなん言うてないよ」と返ってきました.
顔をゆがめたのは,すえの子でした.「お前か?」と聞くと,「おすしがいいって言ったんやけどなあ」でした.
ともあれ美味しくいただきました.食べ終わったころに,実家から電話がかかってきました.