「ただいまぁ…」
「おかえりぃ」
「おかえり」
「ふむ,さきの子と,あとの子は,ここのテーブルで,お勉強してんねんな.宿題か,自主勉か…」
2人は向かい合って座っています.
あとの子が開いて書いているノートのそばに,少し小さめの,閉じたノートがありました.スケジュール帳でしょうか.
しかしそれを,開けてのぞき見するわけにもいきません.プライベートな情報です.自分だって,財布を子らが開いて,入っているカード類やレシートを暴露する,なんてされると大いに困ります.
などと思っていると,自分の視線に,さきの子が気づきました.そして手を伸ばしてその小さなノートを取り,開いて「何書いてるの~,へえ,期末テストね~」などと声をあげました.
あとの子も,勉強そっちのけになり,「返して,返してよ~」と言います.
ここで父親として,止めようかボケようかの2つの選択肢が頭をよぎり,1秒ほどで,ボケる路線を選びました.
「あのな,『期末テスト』のかわりに,『鬼滅テスト』なんかあったら,どうする?」
向かい合った2人は,一瞬,パパは何を言っているのだという表情をしてから,「もし『鬼滅の刃』の内容を問うテストがあったら」と理解し,キャラクターの名前やら名場面やらを大声で言い合いました.
台所から妻がやって来て,止めに入りました.
ボケた自分からも,収拾しておかないと…
「そいでな,もし,鬼滅テストがあったら,百点とれるか?」
「当たり前やん」
「よゆうやで!!」
「ふーん.けど現実には鬼滅テストは,小学校で,やってくれそうにないからなあ.しっかり宿題と自主勉,しいや」
グランドジャンプをセブンイレブンで見つけ,「お風呂BIGポスター」を入手しました.
まだ子らには見せていません.子らがそれぞれ問題を作ってから相手に解かせて,その出来の良かったほうにポスターをあげるという,「鬼滅テスト」が思い浮かんだものの,妻の同意が得られそうにありません.