「ただいま…このにおい,今日は,おでんかな?」
「パパおかえりぃ,おでんやで!!」
そんなこんなで晩ごはん.
「すえの子よ,お前の分,よそたるわな」
「パパありがとぉ」
「えっと,すえの子は,豆腐は,食べへんねんな」
「うん,入れやんといてよ」
「煮抜きも,あかんねやったっけ」
「にぬき?」
「ゆで卵のことな」
「うーん,たまごも,いらない」
「へいへい…こんなけ,まず食べなあ.またよそちゃるからな」
「うち食べていい? たまご!?」
「さきの子よ.卵は一人1個にしとこか.2個目はあかんで」
「はーい」
「竹輪が余り気味やなあ…」
「パパ,うち,お肉ほしい」
「お肉なあ…さっき,串に刺さってた肉,さきの子とあとの子とすえの子で,分けたんやなかったっけ?」
「お肉,もっとないの?」
「いやあ,おでんのお肉は,貴重品やねんぞ」
「ああ思い出した,すえの子に,クイズやぞ.おでんのお肉は,どうして,串に刺さっているのでしょうか?」
「えー,何それ」
「ちょっと質問変えよか…おでんのお肉がもし,すき焼き用のお肉やったら,どないなると思う?」
「すきやきのお肉って,ふわあっとしてるんよな!?」
「そうや.あんなお肉,おでんには入ってないよな.なんでやと思う?」
「なんでって,聞かれてもなあ…」
「簡単に答え言うなら,すき焼きにちょうどええ肉と,おでんにちょうどええ肉が,ちゃうっちゅうこっちゃ」
「ちがうの?」
「実際ちゃうやん.すき焼き用は,お前さっき,『ふわあっと』って言うたけど,薄くて柔らかいやろ」
「せやなあ」
「さっきお前らが食べた,おでんのお肉は,どやった?」
「くしにさしてた!」
「串に刺してたっちゅうことは…?」
「くしに,さしてた…?」
「この土鍋で,十分に煮込んだっちゅうこっちゃ.すじ肉,言うんやけど…」
「すき焼きの肉を,おでん用にて煮込んだら,おいしくなくなるんや」
「へえ」
「別の問題にしよか.お鍋にたくさん浮かんでる竹輪,これは植物由来でしょうか,動物由来でしょうか?」
「植物!」
「えー,どうぶつとちゃうの?」
「すえの子,正解やな.竹輪は,魚のすり身が,もとになってんねんぞ」
「あっそっか」
「んでは,こんにゃくは,動物か植物か?」
「動物!」
「えっ?」
「ちゃうわ,植物! おいもやんね」
「コンニャクイモっちゅうくらいやからな」
「最後に1問,タピオカは,動物かな植物かな?」
「あのラ・ムーで売ってた,黒いやつよなあ」
「まあラ・ムー以外でも見かけるし,黒は着色なんやが…」
「どっちなんやろ」
「植物やでぇ.キャッサバっていう,お芋や」