「パパさあ夏服になってからはいてるズボン2つだけやんかあ」
「そうやが…ママよ,よお見とるなあ」
「それでね,おばあちゃんが,セールでパパ用のズボン,買うてきてくれてん」
「ありゃ,ありがとう言うとかなな」
「裾上げせな,はけやんと思うねんけど」
「あ,そやな」
という会話をしたのが前の土曜日で,今日の夕食時には:
「食べ終わったら,裾上げのための寸法を測らなな」
「一人でできる?」
「(まるで子どもやな…)足を通して,裾を折って,ちょうどええサイズになったらええんやろ」
「ま,そやね」
「長さを測るのには,巻き尺が必要か?」
「いや,お店なんかで巻き尺を使こてるんは,股下を測るからであって…」
「折った長さを測るんなら,30cmの定規でも,いけるな」
ここまで言ったところで,左隣に座っていたさきの子が,イスから離れて立ち上がりました.
「パパ! うち,まきじゃく持ってるで! 家庭科の,さいほうセットに入ってんねん!」
「そ,そっか…今パパがあれこれ言うたようにな,パパの裾上げの寸法を測るのには,巻き尺,いらんのよな」
「使こて! 使こて!」
「押しつけられてもやなあ…」