ただいまを言うと,妻が笑顔でやって来ました.
手には車の鍵を持っています.
精米してほしいとのこと.靴を脱ぐことなく,鍵を受け取ってから,リュックサックのポケットに入れ,背負い直しました.
納屋の冷蔵庫から,玄米の入った袋をひとつ,取り出して,手押し車(一輪車)に乗せるとしますか…
一輪車は,納屋の外にありました.スコップや,ゴミが乗っていました.それだけでなく,水も十分な量,たまっていました.先日の雨で水を受けて,捨てていなかったのでした.
少し濡れている程度だったら,土や肥料を使い切った袋などを敷物にして,その上に米の袋を乗せればいいのですが,そうもいかない状況です.
納屋から車のあるところまで,歩かないといけないのか.だっこまたはおんぶして…
と思いながら,冷蔵庫から袋を一つ,引っ張り出して胸に抱え,態勢を立て直したときに,納屋の中に,キャスター付きで背もたれなしのイスがあるのに気づきました.
こいつに袋を乗せて,駐車場まで押して運ぶことにしました.納屋の中は,スイスイです.出た直後は,地面がガタガタしており,イスごと持って,衝撃の少ない舗装路で降ろしました.
こんなときに,(妻の;以下略)父とすれ違ったら,何て声をかけてくるだろうと,少しドキドキしながら歩いていると,前方に人影が見えました.ご近所さんでした.「押して歩くの,大変やよなあ」「ええ」と交わしてすれ違ってから,少しどころではなくドキドキしました.
車の左後方まで,イスに乗せた米袋を移動させ,ドアを開けたところで,スピードを落として駐車場の前を通る車がありました.父です.用事から,帰ってきたのでした.自分にとっては危機一髪でした.
精米して,駐車場に持ち帰るまで,特に事故などはありませんでした.帰りに押すときに,平らなはずの地面で,米の袋が転落し,イスの上に乗せるのに,手間を要しました.