わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

自転車用ヘルメットを買いに

 田植えを終え,昼食をとり,2階で昼寝をしていたときのことです.
 いえ,横になったものの,眠ることはできませんでした.
 田んぼに落ちたときのことを思い起こすほか,手袋をしていなかったので,左右の手の甲が日やけで赤くなっていました.
 時計を見ると…貴志川線が,最寄りの駅に停まる時間に,近づいていました.
 起き上がって,Tシャツはそのまま,ズボンに履き替えて靴下を履いて,リュックサックにタオルとスマートフォンを入れて,「ちょっと和歌山駅に行ってくる」と告げ,家を出ました.
 貴志川線の最寄り駅は,発車予定の1分前に到着しました.ベンチに座る人がひとり.遠方で,鳴るはずの踏切の音が,聞こえません.
 ベンチに座る人が「今日は運休ですよ」と言いました.スマートフォンを取り出して検索すると,たしかに終日運転見合わせとなっています.明日以降も,見通しが立っていません.
 駅そばの自販機で缶ジュースを買い,両方の手の甲の上で軽く転がしてから開けて一気飲みし…
 自転車用のヘルメットを,買いに行くことにしました.
 4月の改正道路交通法の施行により,自転車利用者のヘルメット着用が努力義務となりました.

 家族で自転車通学・通勤をする者はいませんが,自転車でよく外出する,子らの分は購入済みです.
 自分はというと,貴志川線が不通となったら,自転車に乗って和歌山駅の駐輪場に置き,そこからバスというのが一案です.この形態で,何日,出勤することになるか分かりませんが,この機会に安全に投資しようと考えたのでした.
 歩いて我が家の納屋まで戻り,収納済みの田植え機の奥の自分用自転車を持ち上げて,納屋の前に出しました.タイヤの空気圧は問題なかったので,そのまま乗って,線路や,国体道路を横切り,2階建てのコーナンに向かいました.
 サイクリング用品が,2階の一角で売られているのを把握しています.見に行くと,子ども向け,ジュニア向け,そして大人向けの自転車用ヘルメットが,並んでいました.
 価格を比較して,一つを手に取りました.開けて試着してみたいのですが…
 こういうときは店員さんに声をかけるべきでしょう.顔を上げると,サイクル担当と思しき店員さんが,自転車を押しながらエレベータを降りていきました.納品でしょうか…
 ベルを押して,待つこと数分,先ほどの店員さんが戻ってきました.
 試着を相談すると,OKでした.開封してもらい,頭に乗せましたが,ちょこんと乗っただけのように見えます.
 店員さんがヘルメットを取り,内側後方のつまみをまわしました.これで広がるというわけです.最大にしてもらってから,かぶると,今度はフィット感がありました.
 首回りの紐も留められることを確認し,脱いで,それではこれを買いますと言い,レジに持って行きました.
 そこからの帰りは,このヘルメットを装着しました.メガネをいったん外して,紐で固定し,その外側からメガネをかけることで,ほんの少し,ほおやあごへの締め付けが減りました.
 自転車を納屋に戻して,ヘルメットをかぶったまま,家に入ってただいまを言うと,さきの子がやってきて,驚いてくれました.そしてヘルメットを外すと,笑い出します.紐の締めつけ跡が,正面から見ても分かるというのです.洗面所に行って鏡を見て自分も笑いました.3分後に見ると,跡は消えていました.

 自転車通勤代替計画は未実施に終わりました.その翌日から,貴志川線は間引き運転の形で運行を再開したからです.
 ヘルメットを入れる袋を用意しておき,自転車を乗るときには,このヘルメットも着用することにします.