「パパぁ,DVDプレーヤーある? パソコンにつなぐの」
「ん,すえの子か.えっと…プリンタを置いてる本棚の,それな,上の段の右端に,立てて置いてるやろ」
「え…あった,パパ.ありがと.使うね」
「えーそんなとこに置いてたん!?」
「おっと,さきの子が割り込んで来たぞ」
「前に,ママが借りてきたアニメ,観たかってんけど,プレーヤーなかったやんか」
「いやそんなん知らんけど」
「あんたはだまっといて」
「妹の指図は受けません~だ!」
「まあまあ…ところですえの子よ,使こてええけど…なんか観るんか?」
「ちゃうねん,日曜日に英検があるんで,リスニングの勉強すんねん」
「へえ.ディスクはDVDやのおて,CDかな?」
「何それ?」
「ま,パソコンにつないで,ディスク入れて,再生できたらええんやないかな」
「あと,この部屋で勉強していい?」
「音が鳴るねんな」
「そうやねんけど」
「ま,勉強のためならええかな」
「そんなんやったら,うち,テレビつけるで!」
「わかりやすい嫌がらせやなあ」
「実際にはせえへんけど」
「しっかし,このタイミングで,パパ,眠たなってきたんよな…」
「ここで寝る?」
「そうしよかな.(移動して横になり)毛布をかぶって…」
「…」
「…」
「(ここでボケよう)ほなパパは,イビキかくね」
「やめてよ」
「あかんってパパ」
「冗談やがな冗談.意識してイビキをかくって,でけへんねんから」
スマートフォンのアラームをセットして,45分でしっかり目が覚めました.さきの子は,部屋からいなくなっていました.すえの子に,おそるおそる尋ねたのですが,パパはイビキをかいていたとのことでした.