控え室は…
1泊するのに,申し分ない環境でした.洋間と和室があり,洋間には壁掛けでテレビがついています.和室は横になるのによさそうです.
妻が歓声をあげました.浴室にも,テレビが付いているというのです.
控え室の入口から最も離れたところの壁は,よく見ると,引き戸になっていました.静かに開けてみると,祭壇が間近でした.
妻,すえの子,自分の順に,一人ずつ風呂に入りました.ついでに黒服(すえの子は制服)から,くつろぐことのできる服装に着替えました.
妻が,2時間ほど寝ると言い,和室へ行きました.すえの子は洋室内の机で,ノートなどを広げて勉強です.自分はノートPCを持参していましたが,仕事をする気も起こらず,のんびりテレビを見ました.
眠気を催してきたので,自分も眼を閉じて…
朝を迎えました.
祭壇の明かりや火は,葬儀会館の方にお任せしていましたが,祭壇を見に行くと,一つの箱と,手書きのメッセージがありました.
親類の一人で,母がよく,食事や旅行に連れて行った子でした.「子」といっても,とっくに成人です.自分から見ると,いとこの子で,母からだと,長姉の長男の長女です.
あとで兄から聞いたところによると,この子は仕事のため通夜にも告別式にも参列できないけれど,夜中に車でやってきて,手を合わせ,箱とメッセージを置いて離れたんだろうとのことでした*1.
「寝ずの番」の役目をまったく果たしていない,一夜となりました.
*1:ここまで説明した子と一緒に,母がよく,食事や旅行に連れて行った子もいます.母からだと,長姉でない姉の孫娘に当たります.結婚で遠地に行ったため,通夜にも告別式に来ることができませんでしたが,精進上げのときに,この子の父(自分のいとこ)から,前日に子どもを産んで母子とも健康と,聞かされました.