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悲しい「可用性」

情報セキュリティの授業の初回に,「可用性」について説明しました.1年生向け授業の中でも取り上げました.
なのですが,この言葉,いろいろなところで悲しいのです.
まず,Windowsかな漢字変換に登録されていません.「Microsoft IME スタンダード 2003」で,バージョンは記載しないことにしますが,これで「かようせい」を打って,変換して出てくるのは,「可溶性」のみです.
ちなみに,Ubuntu 7.04付属のSCIM+Anthyだと一発変換です.MicrosoftIMEでも,新しいものだと載っている可能性はあります.
次に,可用性を英語で書くと,availabilityです.形容詞形なら,available.この単語を使いこなせる日本人はなかなかいない,とどこかの本で読んだことがあります.そこで,英辞郎でこの単語を引いて,用例を見てみると…

  • Is Mr. Yamada available? 《電話》山田さんに代わっていただけますか?

この表現,いいなあ…そして思い出し笑い.笑いの文化人講座の何巻だったか,忘れたけど,男性が女性の家に電話して,お父さんが出たので,「○○さんはいらっしゃいますか」と尋ねたら,「娘は,おる」と言ってガチャン,で切るというもの.日本語であれ英語であれ,これで会話が終わったら,かけた側はショックですね.
この話をどうしても思い出し,にやけてしまうので,授業中に挿話に使うことができません.
最後に,セキュリティを支える性質の中で,説明するときに,苦労します.
セキュリティの三大特性というと,機密性,完全性,可用性ですね.そのうち,機密性を実現するには暗号技術*1,完全性については認証技術と,明確な対応があるのですが,可用性を実現する技術は何かを,一言で表現するのは難しいです.「アクセス制御」は含まれますが,これが可用性のすべてだとは思えません.これまでの授業では,「あえて言うと,運用」と言って,お茶を濁していますdodge the subject

*1:しかし,学生時代,「暗号」で実現できるのは,「秘密通信」と「認証」の二つだと教わったなあ….