わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

死を前に

(前振りを消しました.)

柳沢良則は

先週読んだモーニング,「天才柳沢教授の生活」は,主人公である教授・柳沢良則が喫茶店で“観察される”ことから始まります.
そっくりな人(八木沢利則)と勘違いされ,誤解を解くまでひと苦労.好奇心から教授はその人物を捜し,見事見つかったかと思いきや「忌中」.八木沢氏の遺影は,確かに教授に似ているけれど,目が大きく,ボタンホールにはマーガレットの花.そして:

あなたは たくさんの出会いを求めた
私(わたくし)が真実を探求するように
心から恋をし
キズつき キズつけて
長い長い 時間をかけて
本当に 愛する人に 出会ったのですね

坂巻慶太

月2回刊のスーパージャンプで読むと言ったら「王様の仕立て屋」「ゼロ」「きららの寿司」「JIN」「銀のアンカー*1」.
オースーパージャンプというのはその増刊で,隔月に出ています.「マリー・アントワネットの料理人」という,ゼロ×料理×歴史×海外で日本人大活躍というのもそれなりに気になりますが,内容の濃さで言えば,料理×全国行脚×漢(オトコ)の「慶太の味」です.
先週読んだのは,これまでのパターンを踏まえつつも,いくつか明らかに違っていました.
個人的に「一休さんシーン」と呼んでいる,坂巻が肉体をさらけ出して(もちろん隠すべきところは隠して),料理づくりのための問題解決をするシーンがなく,代わりにキスの回想シーンになっていました.「男」ではありますが「漢」と呼んでいいのかは迷います.ともあれ,それが答えへの道しるべだったわけですが.
そういえば,あらすじを書くのを忘れていました.「慶太の味」では,主人公の坂巻慶太が流しの料理人として日本のあちこちを巡り,訪問地でのトラブルを解決していくのですが,今回の舞台は杜の都・仙台.かつて東京(銀座)でお世話になったママが入院中.妹の経営する焼き肉屋の牛タンセットが,父の味に劣っていて,なんとかしようという課題設定でした.
こういう状況で,入院というのはもう長くないことを暗示していて,以下ごにょごにょは既定路線.そしてもう一つ驚きがありました.いつもの「慶太の味」は,終わり1〜2ページはその都度おそらくオリジナルと思われるメッセージ*2なのですが,今回は,青葉城恋唄の歌詞*3でした.

自分のこと

子供を授かってから,困ったことに,悲報に接する機会が増えました.距離が遠く,通夜にも告別式にも出席できないケースもありました.
映画「おくりびと」もそうなのですが,死について考えるというのは,“自分が死んだらどうなるか.近親縁者が自分をどのように弔ってくれるか”というよりも,“身近な死に対して自分はどう接し,乗り越え,これからも自分は生き続けていくのか”を考えることであるようです.
といっても,後者の考え方は別に「おくりびと」を見たからとか,実父の件があったからとかではなく,手塚治虫弘兼憲史の漫画に影響を受けています.
うーん,まとまりません.(自分の分野の)論文読みから逃げているからかもしれません.当面は,文字でも絵でも,手当たり次第に読んで,頭の中に蓄えるとします.

ごく最近見かけた論考

いま、私は信仰を持っていない。だから、何が起きても、自分が引き受けるしかない。信仰を持つ人も、責任を自分が背負う点は変わりはない。ただ、彼らは「メモリ増設」されているように見えるので、強い。僕は、運が良ければ家族や親しい人に話を聞いて貰うことで、自分のキャパを越える問題によって潰れることを防いできた。
(略)
より賢明な答えの探し方もあるかもしれないし、僕は答えを得ないまま一生を終えるかもしれない。今まで生きて来て分からないのだから、「救われない」日々をこれからも過ごすんだと、腹をくくった方がいいのかもしれない。

http://d.hatena.ne.jp/hrkt0115311/20090523/1243027006

*1:これを読むのは,就職対策という面もあります.学生への.単行本を買ったら,研究室の漫画の本棚にこそっと置いています.

*2:あの形式を何というのか分からず,探し方も分からず,数日が過ぎたのでした….

*3:例えば,http://www.sacrako.com/asset/UTA/AOBAZYOU.html.あれ,「青葉城恋歌」になっているなあ.Wikipediaほかでも「恋唄」になっていたので,そちらにしました.